今の成績で進路を決めていいの?現役東大生が教える後悔しない進路の決め方

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はじめに:成績=未来の全てではない

進路を決める時期に差しかかると、誰もが気になるのが「今の成績」。
「この成績じゃ無理かも」「どうせ無理だから諦めよう」——そんな言葉が、あなたや周りから聞こえてきたことはありませんか?
確かに、成績は進路選択において重要な指標の一つです。でも、それがすべてではありません。

進路というのは、成績だけで決まるものではなく、「将来どうなりたいか」「何に興味があるか」「自分の強みや価値観は何か」といった、もっと根本的な要素を考慮することが大切です。

かくいう私も今の成績に見合わない志望校を設定していました。私の出身は東大に年に2,3人が合格する中高一貫校だったのですが、定期テストで15位/30人ぐらいの成績だった中3のころから東京大学を目指すことを決定していました。当時の成績では早慶にも合格できない学力層だったと思うのですが、高い目標を掲げ無事に合格することが出来ました。

そこでこの記事では現役東大生ライターの「けんけん」が、成績にとらわれすぎずに、自分に合った進路をどう見つけていくかを考えていきます!


成績が持つ意味とは?「今の成績」はスナップショットに過ぎない

進路を考えるとき、多くの人が最初に見るのが「今の成績」です。模試の判定、定期テストの順位、通知表の数字……どれも確かに現時点の学力を示す「指標」として大切です。しかし、それはあくまでも“現時点”の話。言い換えれば、今の成績はあなたのこれまでの勉強の成果であり、未来を保証するものではありません

たとえば、成績が良くないと「この高校は無理」「この大学には届かない」と思いがちですが、それは単なる“今の地点”から見た話です。まだ半年、一年と時間が残されているなら、その間にどれだけ伸びるかは未知数。

現に、夏まではE判定だった生徒が、最後には志望校に合格したという話は珍しくありません。学力は、本人のやる気と正しい努力の方向性次第で大きく変わります。

また、成績は「テストで測れること」だけを評価するものです。記憶力や処理スピード、ミスをしない慎重さなど、学力の一部ではあっても、それがその人のすべてではありません。粘り強さや発想力、対人スキル、好奇心といった“成績に表れない力”も進路には大きく関わってきます

つまり、成績はあくまで「今を映した鏡」。未来を映す鏡ではないということです!


進路を成績だけで決める危うさ

「今の成績だとこのあたりの高校(大学)かな」「模試でA判定が出たからここにしよう」——そうやって、成績を軸に進路を決めようとする人は多くいます。確かに、合格の可能性を予測する上で成績は便利な物差しですし、志望校選びに一定の現実感を与えてくれます。

しかし、成績だけで進路を決めてしまうと、「なんとなく決めた未来」に後悔することになりかねません

たとえば、「A判定が出ているから行けそう」「親に勧められたからこの学校でいいや」といった理由で進学した場合、その学校で学ぶ内容や、学校の雰囲気、人間関係が合わなかったとき、「どうしてここに来たんだろう」とモチベーションを失うこともあります。特に大学では、自分の興味や関心と合わない学部・学科に入ってしまうと、4年間が苦痛になってしまうことすらあります。

反対に、「成績が届いていないから」という理由で本当に行きたい進路を諦めるのももったいない選択です。「今はまだ届かない」だけであって、「これから届かせることができる可能性」は十分にあるのです。むしろ、自分が本当に興味のある分野や行きたい学校が見つかったなら、それを目標に努力する方が成績も自然と上がりやすくなるという好循環も期待できます。

大事なのは、「成績に合わせて進路を選ぶ」のではなく、「進路に合わせて成績を上げていく」という考え方。もちろん無理をして背伸びしすぎる必要はありませんが、今の成績を絶対視して自分の可能性を狭める必要はどこにもありません。

進路を考えるときは、「自分は何に興味があるのか」「どんなことに時間を使いたいのか」「将来、どんな社会で生きたいのか」といった根本的な問いに目を向けることが何より大切です。そしてその理想に向けて、「じゃあ今、何をすればいいのか」を考えること。それが、納得のいく進路選びにつながっていきます。

だらだら

自分の「やりたいこと」はどこにある?

「進路は、成績ではなく自分のやりたいことから考えよう」と言われても、「そもそも自分のやりたいことが分からない」と感じる人も多いでしょう。実際、中高生の時点で明確な将来像を持っている人は少数派ですし、将来の夢が変化するのはごく自然なことです!

だからこそ、「絶対にこれ!」という確信がなくても問題ありません。大切なのは、「なんとなく気になる」「この分野って面白そう」と感じる小さな“興味の芽”を見逃さないことです。

たとえば、好きな教科や得意なこと、時間を忘れて没頭できる活動はありますか?理科の実験が楽しい、歴史の人物にワクワクする、人に説明するのが得意——そうした些細なことも、進路のヒントになります。また、好きな映画やYouTube、ニュース記事、話題になった出来事などから、「こういう仕事もあるんだ」と視野を広げるのも大事な作業です。

さらに、「どんな生活を送りたいか」という観点から考えるのも有効です。

人とたくさん関わりたいのか、それとも静かに物事に集中したいのか。都会で働きたいのか、自然に囲まれた場所で暮らしたいのか。収入や安定、働き方、ライフスタイルといった視点から逆算することで、自分に合った職種や進路の方向性が見えてくることもあります。

「やりたいこと」は、一度に見つかるものではありません。あれこれ調べたり、人の話を聞いたり、実際に体験してみたりすることで、だんだんと輪郭がはっきりしてくるものです。最初はぼんやりしたもので構いません。その「なんとなく興味あるかも」を、大事に育てていくことが、納得できる進路選びの第一歩です!


逆算の思考で進路を考える

進路選びにおいて、最も大切なのは「目の前の成績で選ぶ」のではなく、「将来の自分から逆算して選ぶ」ことです。これを“逆算の思考”と呼びます。

たとえば、もし「心理学に興味がある」と思ったなら、その分野を学べる大学や学部を調べてみます。そしてその学部に合格するには、どの教科が必要で、どれくらいの偏差値が求められるのかを知ります。そこから「今の自分との差」を明確にし、「あと半年でこの科目をどこまで伸ばせばいいか」「どんな勉強法が必要か」という行動計画に落とし込んでいくのです。

このアプローチの良いところは、「目標が具体的になることで、日々の勉強に意味が生まれる」点です。ゴールが曖昧なままでは、「とりあえず勉強しなきゃ」と義務感だけが先行し、やる気も続きません。でも、「この大学のこの学科に入りたい。そのために英語をあと20点伸ばす必要がある」と分かれば、目的が明確になり、勉強に向かう姿勢も大きく変わってきます。

また、逆算思考は「現実的な目標」と「夢の実現」のバランスをとるのにも役立ちます。たとえば、今はD判定の志望校があったとしても、「あと1年でこれくらい伸ばせる」「得意科目を武器にすれば可能性はある」と見えてくれば、無謀ではなく“挑戦可能な目標”になります。

もちろん、理想と現実のギャップに悩むこともあるでしょう。でも、それも含めて進路選びの大事なプロセスです。進路はゴールではなく、次のスタート地点です。だからこそ、「今の自分」に縛られず、「なりたい自分」から発想すること。それが後悔しない進路選びへの一番の近道です!

逆算の思考で進路を考える

では、どうやって進路を決めればいいのでしょうか?おすすめしたいのは「逆算の思考」です。
つまり、「自分がこうなりたい」→「そのために必要な進路は?」→「その進路に合った学校・学部は?」→「そのために今できることは?」という順番で考える方法です。

この思考法の良いところは、今の成績に縛られず、未来から今を見つめ直せる点にあります。
たとえば「建築士になりたい」と思ったら、そのためには建築学科に進む必要がある。じゃあ、どの大学に建築学科がある?今の学力との差は?その差を埋めるには、どんな勉強が必要か?というように、未来を出発点にして計画を立てられます。

すると、「このままだと届かないかも」と感じる進路でも、「何をどう頑張ればいいか」が具体的に見えてきます。ゴールが明確になると、努力も意味のあるものに変わります!

また、自分の興味に沿った進路の決め方については次の記事でも紹介しているので参考にしてみてください!


おわりに:今はスタートラインにすぎない

今の成績で進路を決めることが「悪い」とは言いません。ただ、それが自分の可能性を狭める選択になっていないかは、しっかり立ち止まって考える必要があります。

受験や進路選びは、一生に一度の大きなターニングポイントです。だからこそ、目の前の数字だけでなく、自分の心の声や未来のビジョンにも耳を傾けてほしいのです。

成績は変わります。人は伸びます。そして、あなたの未来は、まだまだこれから広がっていきます。
「今の成績で決める」ではなく、「なりたい自分に近づくにはどうするか」で決める進路選びを、ぜひ目指してみてください!

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この記事を書いた人

学年:東京大学3年
学科:工学部
得意科目:数学・物理
座右の銘:初心忘るべからず
【受験を目指す皆さまへ一言】
勉強に不安を持つ方たちの役に立てるような記事を書けるようがんばります!

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