大学受験の方式の中で年々注目度が高まっているのが「総合型選抜(旧AO入試)」です。学力試験だけでなく人物評価や将来性が重視されるため、自分の強みを存分にアピールできる一方、準備の仕方が分からず不安になる受験生も多いのが実情です。
そこでここでは現役東大生ライターの「けんけん」が、総合型選抜に挑戦する人に向けて、具体的な対策方法を詳しく解説します!
総合型選抜の特徴を理解する
学力試験だけでは測れない力を評価
総合型選抜では、学力試験の点数ではなく、出願書類や面接、小論文、プレゼンテーションなどを通じて、受験生の意欲や適性を評価します。これは「大学で学びたい内容と本人の将来像が一致しているか」を見るための方式です。そのため、志望理由書や面接での一言一句が合否を左右するといっても過言ではありません。
大学ごとに異なる選考方法
総合型選抜は大学・学部ごとに内容が大きく異なります。ある大学では課題論文が必須だったり、別の大学ではプレゼン形式の発表を課したりするケースもあります。まずは志望校の募集要項を確認し、どのような力を問われるのかを早い段階で把握することが重要です!

出願前に必ずやるべき準備
自己分析を徹底する
総合型選抜で最も大切なのは「自分をどう表現するか」です。そのために必要なのが徹底的な自己分析です。過去の経験、得意科目、部活動やボランティア活動、将来やりたいことなどを一度書き出してみましょう。その中から大学の学びにつながる要素を整理すると、説得力のある志望理由を組み立てやすくなります。
志望理由を具体的にする
「その大学でなければならない理由」を明確にすることが重要です。ただ「偏差値が合っている」「家から通いやすい」といった理由では不十分です。志望校のカリキュラム、教授の研究分野、ゼミの特色などを調べ、自分の学びたいテーマとどのように結びつくのかを論理的に説明できるようにしましょう。
書類対策のポイント
志望理由書
志望理由書は総合型選抜の中心的存在です。構成としては「きっかけ → 学びたいこと → 将来の目標 → 大学との結びつき」という流れで書くと読み手に伝わりやすくなります。抽象的な表現を避け、具体的なエピソードを交えることが大切です。
活動報告書・自己PR
高校生活での取り組みをまとめる活動報告書も重視されます。部活動、委員会活動、ボランティアなどの経験を「どのような力を身につけたか」と結びつけて書くと効果的です。単なる活動の羅列ではなく、「リーダーシップ」「協調性」「課題解決力」といったキーワードを盛り込むと評価につながりやすくなります。
面接対策を万全にする
想定問答を繰り返す
面接では「なぜこの大学を志望したのか」「将来どんなことをしたいのか」といった質問が必ず聞かれます。事前に想定問答を作り、答えをスラスラ言えるように練習しておきましょう。特に「高校時代の経験をどう大学での学びに活かすのか」という質問は頻出なので、自分のストーリーとして整理しておく必要があります。
姿勢や表情も評価対象
面接官は発言内容だけでなく、姿勢や表情、話すスピードなどもチェックしています。過度に緊張すると声が小さくなったり、目線が泳いだりしがちです。友人や先生に模擬面接をお願いして、客観的なフィードバックを受けると改善しやすいでしょう!



小論文・課題型試験の対策
時事問題にアンテナを張る
小論文では社会問題や学部関連のテーマについて問われることが多いため、普段からニュースに触れる習慣を持ちましょう。新聞記事や専門誌を読み、自分なりの意見を持つ練習をすることが効果的です。
書く力は繰り返しで伸びる
小論文は一朝一夕で上達しません。実際に何度も書き、添削を受けて改善することが必須です。「序論 → 本論 → 結論」の型を身につけ、論理的に展開できるように訓練しておきましょう!
総合型選抜対策のスケジュール
高2の終わりから準備を始める
総合型選抜は出願時期が9月〜10月と早いため、高3になってから慌てて準備するのでは間に合いません。遅くとも高2の終わりには自己分析を始め、志望理由を固めていくのがおすすめです!
高3の夏までに仕上げる
出願直前になって焦らないために、高3の夏休み中には志望理由書や活動報告書の完成形を作っておきましょう。夏休みは模試や学校行事も多いため、計画的に時間を割り当てる必要があります!
志望理由書で差をつける具体的な工夫
総合型選抜において、最も重要な書類のひとつが志望理由書です。多くの受験生が提出するこの書類で差をつけるには、単なる「志望動機」以上の深さと具体性が必要になります。では、どのように書けば、読み手である面接官や入試担当者に「この学生をぜひ迎え入れたい」と思わせることができるのでしょうか。
まず大切なのは「志望のきっかけを具体的に語ること」です。「小さい頃から興味があった」「先生に勧められた」という漠然とした理由だけでは説得力が弱まります。例えば「高校の生物の授業で遺伝子編集技術に触れ、農業や医療の分野での応用に興味を持った」といったように、自分の体験を起点としたストーリーを語ることで、読み手に強い印象を与えることができます。
次に必要なのは「学びたいことの明確化」です。大学で学ぶ内容が自分の関心とどのようにつながるのかを具体的に示す必要があります。「環境問題に関心がある」だけでは不十分で、「地球温暖化の影響を調査し、持続可能な社会づくりに貢献したい。そのために、貴学の環境科学科で行われている再生可能エネルギーの研究に携わりたい」とまで落とし込むと説得力が格段に増します!
さらに効果的なのが「大学との接点を具体的に挙げる」ことです。志望する大学のカリキュラムや研究室、教授の専門分野、ゼミの特徴などを調べ、自分の学びたい内容と重ね合わせましょう。例えば「○○教授の研究テーマである地域資源の活用に関心があり、自分の地元での課題解決に応用できると考えている」という書き方をすれば、その大学でなければならない理由が明確になります。
また、志望理由書には「将来のビジョン」も欠かせません。大学で学んだことを将来どのように活かしたいのかを描くことで、入試担当者は受験生の成長可能性を見極めます。たとえば「将来は国際協力の現場で働きたい。そのために、英語力と国際関係学を同時に学べるこの大学で知識を深めたい」というように、自分の未来像を大学の学びとつなげることが効果的です。
さらに差をつけるポイントとして「エピソードを交えること」が挙げられます。単なる目標の宣言ではなく、自分がこれまでに取り組んできた具体的な経験を語ると、内容に厚みが出ます。「文化祭で模擬店を運営した経験から、企画力やリーダーシップを磨いた。その経験を活かして、大学でも地域連携プロジェクトに積極的に参加したい」といった流れは説得力があります。
志望理由書の完成度を高めるには、必ず第三者の目でチェックしてもらうことも大切です。自分では明確に書いたつもりでも、読む人にとって分かりにくい表現や抽象的すぎる部分は意外と多いものです。学校の先生や予備校の講師、信頼できる先輩などに見てもらい、改善点を繰り返し修正することで、より完成度の高い志望理由書に仕上がります。
最後に意識してほしいのは「一貫性」です。志望理由書に書いたことは、面接や小論文でも必ず問われます。ここで矛盾が生じると評価は一気に下がります。書類の段階から、自分の言葉で無理なく説明できる内容にまとめておくことが重要です。
志望理由書は、総合型選抜の合否を大きく左右する要素であり、自分の熱意や将来への姿勢を伝える絶好のチャンスです。時間をかけて丁寧に準備し、具体性と一貫性を意識した内容に仕上げることが、合格への第一歩となるのです!
まとめ
総合型選抜は、自分の強みを活かせるチャンスである一方、準備不足では太刀打ちできない方式でもあります。自己分析、志望理由書、小論文、面接――そのすべてに対策が必要です。早めの準備を心がけ、計画的に力を磨いていきましょう!
そして、一人では不安なときにはぜひ東大寺子屋にご相談ください。
- 自己分析のサポート:過去の体験を掘り下げ、大学の学びと結びつける手助けをします。
- 書類添削:志望理由書や小論文を実際に添削し、伝わる文章にブラッシュアップします。
- 面接練習:模擬面接を通して、自信を持って話せる力を養います。
「学力試験では測れない力」を的確に伝えるために、プロのサポートを受けることで合格可能性を高められます。
経験豊富な指導を通じて、合格への道を一緒に切り開いていきましょう!