英検(実用英語技能検定)は、日本で最も広く受けられている英語資格試験の一つです。小学生から社会人まで幅広い層が受験し、英語力の指標として学校推薦や入試、就職活動でも活用されています。しかし、級ごとに求められる力が異なり、漫然と学習していては効率的に合格するのは難しいものです。
そこでここでは現役東大生ライターの「けんけん」が、英検対策のポイントを段階ごとに解説します!
英検の出題形式を理解することが第一歩
どの級を受けるにしても、まず大切なのは「出題形式の把握」です。英検は筆記(リーディング・ライティング)、リスニング、そして面接(スピーキング)で構成されます。
- リーディング:語彙問題、文法的な穴埋め、長文読解が中心
- ライティング:3級以上でエッセイが課され、自分の意見を英文で表現する力が必要
- リスニング:日常会話やアカデミックな内容の聞き取り
- スピーキング:面接官との1対1の試験。文章を音読し、質問に答える形式
過去問や公式サイトで形式を確認し、「何を問われる試験なのか」を知ることが最も重要です。
級ごとの対策の違い
5級・4級(基礎力の定着)
英語学習の入り口にあたるレベルです。中学初級程度の単語・文法を中心に、まずは基礎を固めましょう。短い会話文や自己紹介を英語で話せるようにすることが合格への近道です!
3級(中学卒業レベル)
ライティングが導入される最初の級です。自分の意見を2〜3文程度で書けるように練習しましょう。典型的なテーマ(学校生活、友人関係、趣味など)について、シンプルな英語で表現できれば十分です。
準2級(高校中級レベル)
文法や単語のレベルが一段と上がり、社会問題や時事的な内容も出題されます。語彙対策として単語帳を繰り返し活用し、ライティングでは「理由を2つ挙げる」型を徹底練習するのがおすすめです。
2級(高校卒業〜大学入試レベル)
大学受験とも直結する級で、リーディング・リスニングともに実力が試されます。ライティングは「賛成か反対か」「どちらがより重要か」といった二択形式が多く、論理的な構成力が求められます。
準1級(大学中級レベル)
合格率が一気に下がる難関級です。時事問題や社会科学的なテーマが中心になり、語彙数も1万語近く必要と言われます。エッセイでは明確な論理展開が求められ、面接でも抽象的なテーマに答える力が必要です。英字新聞や英語ニュースを日常的に読む習慣をつけると効果的です。

効率的な勉強法
単語と熟語の徹底強化
どの級でも最大のカギは語彙力です。過去問や公式問題集から出題されやすい単語をリストアップし、毎日少しずつ覚えていきましょう。特に英検では「英検〇級用単語集」が市販されているので、それを1冊仕上げるのが最も効率的です。
過去問演習で傾向をつかむ
英検は過去問研究が非常に有効です。出題形式が大きく変わらないため、過去問を3〜5回分解くことで出題パターンや時間配分の感覚がつかめます。ライティングも過去問を真似して書き、模範解答と比較すると効果的です。
リスニングは毎日の習慣に
リスニング対策は短期間で一気に伸ばすのが難しいため、毎日の積み重ねが不可欠です。過去問音声やNHKの英語番組、Podcastなどを使って耳を慣らしましょう。シャドーイングを取り入れると、リスニング力と同時に発音やリズム感も鍛えられます。
面接対策は音読と模擬練習
3級以上では面接が課されます。まずは過去問のカードを使って音読の練習をし、その後、予想される質問に対して英語で答える練習を繰り返しましょう。模擬面接を友人や先生と行うのも効果的です。
モチベーション維持の工夫
英検は範囲が広いため、途中で学習が停滞しやすい試験でもあります。そこで、合格証を手にした自分をイメージしたり、合格後のメリット(推薦入試、就職での評価、海外留学など)を紙に書き出して机の前に貼るのがおすすめです。小さな目標(1週間で単語100語覚える、過去問1回分解く)を設定し、達成ごとに自分を褒めることも継続の秘訣です。
準1級・1級突破のための実践的アプローチ
英検準1級・1級は、英検の中でも最難関に位置づけられます。2級までと比べて語彙数が大幅に増え、リーディングやリスニングでも「ネイティブ感覚」が強く要求されるのが特徴です。そのため、合格を目指すためには「基礎を超えた実践的な学習」が欠かせません。ここでは準1級・1級を攻略するための戦略を細かく解説します!
語彙対策 ― Academic Vocabulary の習得
準1級以降では、社会科学や自然科学、政治・経済・医療といった分野の語彙が頻出します。例えば epidemic(流行病)、sustainable(持続可能な)、infrastructure(社会基盤)など、普段の学校英語ではあまり触れない単語です。
対策としては、市販されている「英検準1級・1級用単語集」を何度も繰り返すことが最も有効です。特に、1日30〜50語を覚え、1週間単位で必ず復習する「反復学習システム」を構築しましょう。また、ただ日本語訳を覚えるだけでは不十分です。例文を声に出して読み、使い方を体で覚えることが重要です。
長文読解 ― 時事的な英文に慣れる
準1級以上のリーディングでは、英字新聞や海外雑誌の記事に近い長文が出題されます。内容も「地球温暖化」「移民問題」「経済格差」といった社会性の高いテーマです。
ここで重要なのは「内容理解」と「設問解法」を分けて考えること。最初から全文を完璧に訳そうとせず、段落ごとの要点をつかむ読み方を練習しましょう。例えば、冒頭のテーマ提示文を読んだら「この段落は背景説明だな」とラベルをつけて読むと効率的です。
ライティング ― 論理展開の型を身につける
準1級・1級のライティングは、社会問題に対して自分の意見を英語で論じる形式です。合格者の多くが実践しているのは「Introduction → Reason 1 → Reason 2 → Conclusion」という4段落構成です。
例えば「Should the government increase spending on renewable energy?(政府は再生可能エネルギーへの投資を増やすべきか)」という問いに対しては、
- 賛成の立場を示す
- 環境保護につながるという理由
- 経済成長につながるという理由
- まとめで再度立場を強調
という流れで書くと評価が安定します。
リスニング ― 多様な英語への慣れ
リスニング問題ではアメリカ英語だけでなく、イギリス・オーストラリアなど多様なアクセントが出題されます。ニュース番組や海外のPodcastを教材にし、スクリプトを確認しながらシャドーイングを行うのが効果的です。特にCNNやBBCなど国際的なニュースを毎日10分でも聞く習慣をつけると、本番のリスニングも格段に取りやすくなります。
面接 ― 抽象的な議論に対応する力
準1級以上の面接は、「国際協力はなぜ重要か」「テクノロジーは人々の生活を改善しているか」といった抽象的なテーマが問われます。対策としては、典型的なテーマに対して「賛成・反対の理由を英語で2つずつ用意しておく」ことが有効です。事前に英語で意見ストックを作り、声に出して練習しておきましょう。



英検対策を学習習慣に組み込む方法
英検対策は短期的な詰め込みでは効果が出にくい試験です。特に語彙やリスニング力は毎日の積み重ねでしか定着しません。そのため、日常の学習習慣に英検対策を自然に組み込むことが非常に重要です!ここでは効率的な習慣化の方法を紹介します。
学習計画を細分化する
「毎日2時間英検の勉強をする」と決めても、続けるのは難しいものです。そこで、勉強を細分化して「小さな目標」に変換します。
例:
- 朝10分:単語帳30語を復習
- 通学中20分:リスニング音声を聞く
- 夜30分:過去問1ページを解く
- 就寝前10分:ライティング用フレーズ暗記
こうすることで「どれか一つでもできればOK」という心理的ハードルが下がり、結果的に継続率が上がります。
アプリやデジタル教材の活用
単語暗記にはスマホアプリを使うのが便利です。忘却曲線に合わせて自動的に復習を提示してくれるアプリもあり、効率よく語彙を定着させられます。また、リスニングはストリーミング教材を使えば、スキマ時間に自然に聞き流しが可能です。
模試・過去問を定期的に解く
英検は出題傾向が安定しているため、過去問を解くことが最良の対策です。1か月に1回は模擬試験のように時間を計って解き、弱点を洗い出しましょう。特にライティングと面接は「練習不足=得点できない」に直結するので、定期的にアウトプットすることが不可欠です。
仲間と一緒に学習する
モチベーション維持には「仲間の存在」が大きく影響します。友人と同じ級を受ける、オンラインで学習コミュニティに参加するなど、互いに進捗を報告し合うと継続しやすくなります。
メリハリをつける
長期間の勉強は疲れやすく、途中で挫折してしまうこともあります。そこで、勉強と休憩のリズムを明確に分ける「ポモドーロ・テクニック(25分集中+5分休憩)」を取り入れると集中力が維持できます。
英検合格を「中間目標」として捉える
英検の学習は入試や資格試験、海外留学への布石にもなります。単に「合格するため」だけでなく、「その後にどう活かすか」を意識すると学習のモチベーションが高まります。例えば「英検2級に合格して、推薦入試に活用する」「準1級を取って海外留学の準備を整える」といった明確な目的を設定することが大切です!
まとめ
英検対策の基本は、形式の理解 → 語彙の強化 → 過去問演習 → 実践練習 の流れです。級が上がるにつれて難易度は急激に高まりますが、正しい学習法を取れば確実に合格に近づけます!
また東大寺子屋では、語彙や文法の基礎からライティング・面接まで、一人ひとりに合わせた個別指導で、効率的に合格を目指せます!次の検定で確実に合格したい方は、ぜひご相談ください!