はじめに
大学受験の数学参考書の中でも、特に名前が挙がるのが「青チャート」と「プラチカ」です。どちらも難関大学受験生から一般的な受験生まで幅広く使われていますが、「結局どっちを使えばいいの?」「順番は?」と迷う人も多いはずです。
実は、この2冊は性質が大きく異なり、役割も使い方も全く別物。順序や目的を誤ると、せっかくの学習時間が思うように成果に結びつかないこともあります。
そこでこの記事では現役東大生ライターの「けんけん」が、青チャートとプラチカの特徴・レベル・学習順序・使い分けのポイントを、経験談とともにじっくり解説します!
青チャートとは?
特徴とレベル感
青チャート(チャート式基礎からの数学)は、数学参考書の“辞書”とも呼ばれています。内容は基礎から難関大学レベルまで幅広く、体系的に整理されているのが最大の特徴です!
例題・類題の形式で構成されており、「見たことがある問題を確実に解ける」力を養えます。初学者にも丁寧で、途中式や理由までしっかり記載されているため、独学でも進めやすいです。
おすすめの使い方
- 例題の暗記レベルまでやり込む
例題は全て解法を頭に入れ、問題を見てすぐにアプローチが浮かぶ状態にする。 - 類題は苦手分野を重点的に
全部やると時間がかかりすぎるため、頻出・苦手分野を優先。 - 辞書的活用
模試や過去問でつまずいた問題は、青チャートで類似パターンを探して復習する。

プラチカとは?
特徴とレベル感
プラチカは「大学への数学」シリーズの一つで、実戦的な良問を集めた問題集です。難易度はMARCH〜東大・京大レベル。問題は初見では手が止まるものが多く、基礎がないと歯が立ちません・・・!
特に、複数分野をまたぐ総合問題や、思考の過程を要求される問題が多いため、試験本番を意識したトレーニングに最適です。
おすすめの使い方
- 青チャート終了後に着手
基礎を飛ばしていきなり挑戦すると挫折しやすい。 - 解答の分析を重視
解法だけでなく、「なぜこの発想に至るのか」を自分なりに言語化する。 - 周回学習で定着
1回目は解説を見ながら、2回目以降で自力解答に挑戦。
青チャートとプラチカの使い分け
効率的な学習順序
- 青チャートで基礎固め
- 数学ⅠA・ⅡB・Ⅲの全例題を暗記レベルまで
- 分野ごとの基礎解法パターンをストック
- プラチカで実戦力養成
- 過去問レベルの問題に慣れ、時間配分や複合問題の処理力を鍛える
並行学習の可否
受験直前期なら、青チャートで復習しつつプラチカで演習する「ハイブリッド学習」も有効。ただし、基礎が不安定な段階での並行は非推奨です!
よくある失敗とその回避法
順序を逆にする
基礎力が固まらないままプラチカに挑戦し、解けない→やる気低下の悪循環に陥るケース。
回避策:必ず青チャートで土台を完成させてから。
青チャートをやり込みすぎる
全例題・全類題を一字一句やろうとして時間切れになるケース。
回避策:重要問題・苦手分野に絞り、完成度を高める。
プラチカを一周で終える
1周では定着せず、「解けたつもり」になります!
回避策:最低2〜3周。周回ごとに制限時間を短くし、本番感覚を養う。
青チャートを3か月で終わらせる学習計画(約1500文字)
目標設定の重要性
青チャートは網羅性が高く、例題だけでもかなりの分量があります。そのため「気がついたら半年経っても終わっていない」という受験生も少なくありません。これを防ぐためには、期限を先に決めてしまうことが肝心です。ここでは、3か月(約90日)で青チャートを終わらせる具体的なスケジュールを提案します!
ステップ1:分量を把握する
まず手持ちの青チャートの例題数を数えます。数学ⅠAなら約200題、ⅡBも同程度、Ⅲは少し少なめです。例題数÷90日で1日の目安題数を計算します!
例えばⅠA・ⅡBを3か月で終わらせるなら、1日4〜5題が目安です。
ステップ2:初回は「完璧主義」を捨てる
1周目は「とにかく全ての例題に触れる」ことが目的です!途中でわからない問題があっても、深追いしすぎず解説を読んで理解に努めます。時間をかけすぎると進度が止まり、計画が崩れます。
ステップ3:2周目で理解を深める
1周目で「見たことはある」状態にしたら、2周目では解答を再現できるかを確認します。例題を見て「どの公式・どのパターンを使うか」が瞬時に浮かべば合格です!
ステップ4:復習のタイミング
復習は翌日・1週間後・1か月後の3回を基本とします。このスパンを守ると記憶が定着しやすくなります。
実践のコツ
- 朝に新しい問題、夜に前日の復習
- 苦手分野は印をつけて重点復習
- 分野ごとに小テスト形式で総復習
3か月で終わらせると、残りの受験期間をプラチカや過去問演習に使えるため、学習効率が飛躍的に上がります。



プラチカを使った難関大対策
難関大に必要な「処理力」
東大・京大・一橋・東工大などの数学では、複数のアプローチを組み合わせる力と限られた時間での処理速度が求められます。プラチカはまさにその訓練に最適です!
ステップ1:青チャート終了後に着手
プラチカは青チャートの基礎が前提。解法パターンを知っている状態で取り組むことで、初見の問題にも柔軟に対応できます。
ステップ2:時間を計って解く
プラチカは「1問30〜40分」を目安に時間を計測。最初は解けなくても構いません。重要なのは制限時間内にどう手を動かすかの訓練です。
ステップ3:解説を「写経」する
プラチカの解説は短く要点だけが書かれていることが多いため、理解を深めるには自分で書き直す作業が有効です。単なる丸写しではなく、「なぜその式変形をしたのか」を自分の言葉で補足します。
ステップ4:複合問題への耐性をつける
プラチカには、ベクトル+確率、数列+微分など、分野横断型の問題が多いです。本番の入試ではこの手の複合問題が頻出するため、ここでの経験が大きな武器になります。
ステップ5:過去問とのリンク
プラチカで解けなかった問題は、そのテーマに関連する大学の過去問を探して追加演習。問題傾向と自分の弱点を同時に把握できます。
青チャートとプラチカを繋ぐ「橋渡し学習」
青チャートとプラチカは、レベルも役割も異なる参考書です。青チャートは基礎から標準、プラチカは標準から応用〜入試レベルの複合問題に対応します。しかし、多くの受験生が「青チャートは解けるけど、プラチカになると手が止まる」という壁にぶつかります。この段差を埋めるには、橋渡し的な学習期間が必要です!
弱点分野を可視化する
青チャートを1〜2周した後、模試や過去問の簡単な問題を解いてみましょう。解けなかった分野が、橋渡し期間で重点的にやるべきポイントです。青チャートの例題に戻るだけでなく、章末問題や標準レベル問題集を使って弱点補強をします!
プラチカの「易しめ」問題から始める
プラチカは問題ごとの難易度差が大きいです。最初から最難問に挑戦すると心が折れるので、まずは「典型パターン+少し応用」程度の問題を選びます。この段階で意識するのは、青チャートの解法をどう発展させるかという視点です。
解法パターンの再整理
プラチカに入ると、青チャートの1パターン解法では対応できない場合が増えます。その際、「青チャートでやった解法のバリエーション」を自作ノートにまとめておくと、類題対応力が上がります。特に数列・ベクトル・微積分は複合化されやすいため、複数パターンを横並びで比較できる形にすると効果的です!
タイムプレッシャーをかける
橋渡し期間の後半では、1問あたりの解答時間を青チャートより短く設定します。基礎部分は瞬時に処理し、応用部分に時間を回す練習を積むことで、プラチカのペースにも対応できます。
この「橋渡し学習」を1〜2か月行えば、青チャートとプラチカの間にあるレベル差を滑らかに埋められ、本番形式の演習でも安定して得点できる力が身につきます!
まとめ
- 青チャート:基礎〜標準問題の型を網羅し、土台を完成させる参考書
- プラチカ:複合・発展問題で実戦力を鍛える演習書
- 効率的な学習順序は「青チャート→プラチカ」
- 青チャートは3か月以内に終わらせると、残り期間を演習に充てられる
- プラチカは制限時間を意識し、過去問とリンクさせると効果が倍増
数学の学習で「やったはずなのに点が取れない…」と悩む受験生は多いですが、その多くは基礎と実戦の切り替えがうまくいっていません。青チャートで型を覚え、プラチカで応用力を磨く。この流れを守るだけで、模試や本番での得点力は確実に伸びます。
もしあなたが「もっと効率的な計画を立てたい」「志望校別の対策を知りたい」と思うなら、ぜひ東大寺子屋を活用してください!現役東大生講師陣があなたにあった指導、アドバイスを行います。興味がある方はまずお気軽にお問い合わせください!