はじめに
夏は受験生にとって「中間報告」のような時期です。1学期までに学んできた内容がどれくらい身についているか、志望校との距離がどの程度あるのかを測る重要なタイミングとなります。特に夏模試は、秋以降の学習方針を修正するための重要なデータ源です。
しかし、模試は受験して結果を見るだけでは意味がありません。準備 → 受験 → 復習という3つのステップを正しく踏むことで初めて価値を発揮します。そこでこの記事では模試を単なる成績表ではなく、「志望校合格のためのナビゲーション」として使いこなす方法を、現役東大生ライターの「けんけん」が解説します!
夏模試前にすべき準備
模試の位置づけを理解する
夏模試の本当の役割は、「現在地の把握」と「今後の進むべき道の明確化」です。これを理解して受験に臨むのと、単に“テスト”として受けるのでは大きな差が出ます。
例えば、A判定が出てもそれは「現時点での合格可能性」であり、本番に向けた油断の理由にはなりません。逆にE判定でも「現状のままでは厳しい」というサインに過ぎず、改善余地は十分にあります。この視点を持つことで、模試は合否予言ではなく、成長のための診断ツールになります!
出題範囲の確認と復習
多くの模試は出題範囲を事前に公開しています。この情報を軽視せず、範囲内の復習を徹底しましょう。特に1学期の定期テストや過去の模試で間違えた単元は必ず解き直しを行い、同じミスを繰り返さないようにします。
例えば数学では公式の暗記だけでなく、「どの場面で使うのか」という判断力を磨く。英語では文法の暗記事項を確認するだけでなく、実際に長文問題に触れ、知識を使える状態にしておく。こうした「実戦力のある復習」が得点力の差を生みます。
試験本番を想定した練習
模試は実力試しであると同時に、試験慣れの絶好の機会です。本番さながらの時間割と環境で練習することで、集中力の持続方法や時間配分の感覚が身につきます。
例えば、解答順をあらかじめ決めておき、難しい問題に時間を使いすぎないようにする。マーク式の場合は「10問ごとにマークする」など、自分なりの安全策を決めておく。これらは全て模試本番前にリハーサルしておくべきです!

夏模試当日の立ち回り
解ける問題を確実に取る
夏模試は満点を目指す試験ではありません。効率よく得点を積み重ねるためには、「取れる問題を確実に取る」ことが最優先です。難問に固執せず、まずは基礎〜標準レベルを完答すること。
例えば数学では、最初の大問1・2を完璧に仕上げるだけで5〜6割の得点が確保できることがあります。英語では長文問題の中でも設問の意味がわかる部分から解くことで、時間ロスを防げます。このように「得点のコスパが高い部分」に注力するのが模試戦術の基本です。
マークミス防止のルーチン
模試での失点原因として意外に多いのがマークミスです。これを防ぐには、事前に決めたルーチンを徹底することが必要です。
例えば「必ず1問解いたらすぐマークする」か「5問解いたらまとめてマークする」かを決め、そのルールを破らない。さらに、最後の5分は必ずマークの再確認に使う習慣をつける。このわずかな意識で、不要な失点を防ぐことができます・・・!
模試後の復習こそ本番
結果よりもプロセス分析
偏差値や判定に振り回されるのではなく、間違えた理由を徹底的に掘り下げましょう。「ケアレスミス」「知識不足」「解法の選択ミス」「時間配分の失敗」など、原因ごとに分類します。
例えば英語長文で時間切れなら、単語力不足ではなくスピード重視の読み方を訓練すべきかもしれません。数学で大問後半が解けないなら、時間を残す戦略が必要です。結果の数字だけでなく、そこに至るプロセスを分析するのが成績向上の核心です。
解き直しノートの作成
復習の質を高めるためには、間違えた問題の「間違え方」を記録する解き直しノートが有効です。
書く内容は「問題文」「誤答」「正答」「間違えた理由」「再発防止策」。例えば「公式を忘れていた→暗記カードで毎日確認」「問題文の条件を読み飛ばした→線を引いて重要語を見逃さない」など、具体的に書き込むこと。こうして作ったノートは、受験直前の最強の復習資料になります!
夏模試を志望校戦略に反映させる
判定の使い方
模試判定は、単なる合否予測ではなく「今後の課題の優先順位」を示すデータです。A判定でも油断せず、弱点科目を磨く。E判定でも、残り期間でどこを強化すれば逆転可能かを見極めることが大切です。
実際、夏模試E判定から秋以降に急伸して合格した受験生は少なくありません。そのほとんどは模試後の弱点克服を計画的に行い、学習時間の配分を見直しています。
教科ごとの優先順位を設定
夏模試の分析結果をもとに、秋以降の学習時間配分を決めましょう。全科目を均等に勉強するのではなく、得点配分の大きい科目・短期間で伸びる科目に重点を置きます。
例えば、理系であれば数学と英語を主軸にしつつ、理科を短期集中で固める。文系であれば英語・国語の基礎を仕上げ、社会科を秋に一気に詰める。戦略的な配分が、残り数ヶ月での得点力を最大化します!



夏模試後の「科目別優先度再設定」
夏模試の復習が一通り終わったら、最も重要なのは「どの科目にどれだけ時間を割くか」という学習時間の再配分です。夏休み後半〜秋は時間が限られており、全ての科目を同じ比率で伸ばそうとしても非効率になりがちです。
まずは、模試結果を科目別・単元別に分析します。例えば英語なら「文法・語彙・長文読解」、数学なら「数ⅠA・数ⅡB・数Ⅲ」、国語なら「現代文・古文・漢文」など、細かく分けて点数配分と正答率を確認します。これにより、自分が最も伸ばすべき分野が明確になります。
ここで重要なのは、得点効率を考慮することです。残り期間で伸びやすい単元に重点を置くほうが、全体の点数を大きく押し上げます。例えば、英語長文が苦手であっても、語彙力不足が原因であれば1〜2ヶ月の集中学習で大きく改善可能です。逆に、数学Ⅲの複雑な微積分は短期間での伸びが難しいため、他の分野を優先する判断も必要です。
また、模試の成績と志望校の配点傾向を照らし合わせることも必須です。例えば、国立志望なら全科目の総合力が必要ですが、私立文系志望なら英語と国語、さらに選択科目に集中する方が効率的です。この戦略を誤ると、模試での伸びが本番に直結しなくなります。
最終的には、1週間の学習スケジュールを作り、科目ごとに「基礎固め」「演習」「模試形式演習」をバランスよく組み込みます。こうした再設定は、夏模試直後のタイミングが最も効果的です!
夏模試を「受験本番の練習台」にする思考法
夏模試は成績を測るだけでなく、受験本番のリハーサルとして活用できます。本番と同じ緊張感や制限時間で試験を受ける経験は、精神面・戦略面の両方で大きな効果を発揮します。
まず、模試当日は本番同様の行動を意識します。朝の起床時間、試験会場への移動方法、昼食の内容まで、本番を想定して調整します。試験当日の食事が合わずに集中力が落ちるケースや、朝の交通トラブルで動揺するケースは意外と多く、模試で事前に試しておくことで本番のリスクを減らせます。
試験中のメンタルコントロールも重要です。本番で最も多い失敗は「焦りによる判断ミス」です。模試では、難問にぶつかった時にどれだけ冷静に次の問題へ切り替えられるかを練習します。例えば「1問に5分以上かけない」「わからない問題はマークだけして後で戻る」など、自分なりのルールを模試で試行錯誤します。
さらに、模試後は本番を想定した振り返りを行います。試験中に時間が足りなかったのは配分ミスなのか、問題の取捨選択の誤りなのか、あるいは単なる実力不足なのか。これらを冷静に分析し、次回の模試や本番で改善します。
夏模試を単なる“成績チェック”で終わらせるのではなく、“本番シミュレーション”として位置づけることで、精神的な強さと実戦力が格段に上がります。
まとめ
夏模試は、単なる模擬試験ではなく、受験生活の重要な分岐点です。模試前の準備、当日の戦略、そして模試後の徹底的な復習。この3つを意識して行動できる人こそ、秋以降の伸びが大きくなります。
結果に一喜一憂するのではなく、データをもとに自分の学習計画をアップデートする。その積み重ねこそが、志望校合格への最短ルートです!
また模試の結果や対策に不安がある方はぜひ東大寺子屋を活用してください!現役東大生講師陣がひとりひとりサポートします。興味がある方はまずお気軽にお問い合わせください!