はじめに
模試は、受験生の現時点での実力を測り、志望校合格までの距離を知るための大切な指標です。しかし、「ベネッセの模試では偏差値65だったのに、駿台では55…」といった経験をした人も多いのではないでしょうか。これは単純に成績が上下しているわけではなく、模試ごとに難易度・出題傾向・受験者層が異なるためです。そこでこの記事では現役東大生ライターの「けんけん」が、代表的な3社(ベネッセ、河合、駿台)の模試を比較し、その違いと活用方法を紹介します!
ベネッセ(進研模試)の特徴と難易度
ベネッセの進研模試は、全国の高校生が最も広く受験する模試の一つです。公立高校を中心に学校単位での団体受験が多く、受験者層は基礎学力から中堅層が中心。
出題は教科書レベルに沿った基礎〜標準問題が多く、定期テストや授業内容を重視する高校生にとって取り組みやすい構成です。
難易度は3社の中で最も低めですが、その分、全国順位や偏差値の数字が伸びやすい傾向があります。ただし、進研模試で高得点でも、難易度の高い大学入試や駿台模試では点数が落ち込むことも多いため、偏差値だけで安心せず、応用力を磨く必要があります。
河合塾(全統模試)の特徴と難易度
河合塾の全統模試は、国公立・私立問わず幅広い志望校の受験生が集まり、標準〜やや難のレベルに設定されています。
進研模試よりも出題範囲が広く、入試を意識した応用問題や複数分野を組み合わせた総合問題が出ることが特徴です。
母集団には進学校の生徒や予備校生も多く含まれ、難易度は進研模試より高め。偏差値は駿台ほど厳しくはないものの、大学受験本番を意識するにはちょうどよい負荷です。国公立二次や難関私大の基礎力確認に適しています!
駿台模試の特徴と難易度
駿台模試は、最難関志望者向けの模試として知られています。特に駿台全国模試や東大・京大実戦模試は、平均点が非常に低く、偏差値50でも全国的に上位層ということも珍しくありません・・・!
出題は高度な応用・発展問題が中心で、授業や教科書レベルだけでは太刀打ちできない内容も多く含まれます。そのため、初めて受けたときに得点が半分以下でも落ち込む必要はなく、「解けない問題をどう分析して次に繋げるか」が大事になります。

偏差値の比較と注意点
- 同じ偏差値でも模試によって立ち位置は変わる
- 進研模試で偏差値65 → 全国的には中上位層だが、駿台では50前後になる場合も
- 河合模試は中間的な位置づけで、本番のレベル感に近い
模試ごとの偏差値を単純比較するのは危険です。母集団や問題傾向が違うため、「どの模試で、どのくらいの層に入っているか」を確認することが重要です!
模試難易度を踏まえた活用法
- 進研模試(ベネッセ)
基礎固めの確認に最適。授業内容の理解度チェックや弱点の早期発見に活用。 - 全統模試(河合)
本番に近いレベルでの実力測定に活用。志望校別判定の参考に。 - 駿台模試
最難関志望者の到達度チェック。本番以上の負荷で弱点補強を行う。
模試結果の正しい読み取り方
模試の偏差値は単なる数字ではなく、「その模試の受験者の中で自分がどの位置にいるか」を示す指標です。同じ偏差値60でも、模試によって意味は異なります。進研模試で偏差値60は全国的に中上位層ですが、駿台模試では全国平均より少し上程度になる場合があります。
また、判定結果は母集団や判定基準にも左右されます。「B判定だったから安全圏」と思い込むのは危険で、あくまで目安として受け止めましょう。重要なのは、模試後の復習です。間違えた問題を「知識不足」「理解不足」「ケアレスミス」に分類し、次回同じ失点をしない仕組みを作ることが、成績向上の最短ルートになります!
模試ごとの勉強戦略
- 進研模試:直前1〜2週間は教科書や学校ワークを重点的に復習。基礎知識の穴を埋めることに集中する。
- 全統模試:普段の勉強から過去問や応用問題に触れ、本番同様の時間配分で演習を行う。解説冊子を活用し、出題意図を読み解く力を養う。
- 駿台模試:問題が難しいため、直前対策よりも普段からハイレベル問題集や記述演習で思考力を鍛えることが必要。受験後は「なぜ解けなかったのか」を深掘りし、解答プロセスを改善する。
模試は受けること自体よりも、復習→改善→再挑戦のサイクルが最大の価値です!



模試の受験時期と活用法
模試は年間を通じて複数回実施されますが、時期によって得られる意味や活用の仕方が異なります。
例えば4〜6月に行われる模試は、新学年の学習進度を反映しにくく、基礎学力や既習範囲の定着度を測る意味合いが強いです。この時期の結果は「現状把握」と割り切り、焦らず弱点を洗い出すことに重点を置きましょう!
夏休み前後(7〜9月)の模試は、基礎力と応用力がどこまで積み上がったかを確認する絶好の機会です。特に全統模試や駿台模試は出題範囲が広く、記述力や時間配分の実力も試されます。この時期の模試は、秋以降の伸びを左右するため、受験後の復習を迅速に行うことが重要です。
秋(10〜11月)の模試は入試本番に近い難易度と形式で実施されることが多く、志望校判定の信頼性も高まります。ここでの結果は、残り数か月の学習戦略を決定する材料となります。
直前期(12〜1月)の模試は、最終確認とメンタル面の調整が目的です。新しい知識を増やすよりも、解き方や時間配分、ケアレスミスの防止など、本番同様の環境で挑むことを意識しましょう!
模試の偏差値を正しく比較するための視点
模試の偏差値を比較するとき、多くの受験生が「数字だけ」を見てしまいますが、実際にはいくつかの背景要因を考慮しなければ正確な判断はできません。
母集団のレベル
駿台模試は全国の最難関志望者が多く受験するため、平均点や偏差値の基準が非常に高くなります。逆に進研模試は幅広い層が受験するため、上位層は偏差値が高く出やすい傾向にあります。
試験範囲と形式
同じ数学でも、ある模試では計算力重視、別の模試では文章題や証明問題重視といった傾向の差があります。そのため、「駿台で偏差値55」でも「河合で偏差値60」となることは珍しくありません。
受験の目的
志望校判定を参考にする場合は、対象大学の受験者層が多い模試を選ぶべきです。一方、苦手克服や基礎確認を目的とするなら、範囲が広くない模試のほうが有効です!
結局のところ、模試の偏差値は他社比較よりも、自分の過去との比較が最も重要です。1回目より2回目、2回目より3回目で偏差値がどの程度上がったのかを見ることで、学習効果を正確に測ることができます。
まとめ
模試の難易度はベネッセ<河合<駿台の順に上がりますが、それぞれ役割が異なります。大切なのは、偏差値を単純比較するのではなく、「どの模試で、どの層の中での結果か」を理解すること。そして結果を分析し、次の模試までにどこを強化すべきかを明確にすることです!
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