はじめに:文系でも数学からは逃げられない?
「数学って、文系なら勉強しなくていいんじゃないの?」
「理系は大変そうだけど、私立の文系なら英語と国語で何とかなるでしょ」
こうした声は、毎年多くの高校生や保護者から聞こえてきます。しかし、大学受験の実態はそう甘くありません・・・!
確かに、私立大学の文系では数学を使わずに受験できるルートも存在しますが、それはあくまで“限定的な選択肢”にすぎないんです。
一方、国立大学では文系・理系を問わず共通テストで数学の受験が必須であり、2次試験でも数学が出題されるケースが多数あります。
つまり、数学の扱いは「国立か私立か」「文系か理系か」で大きく異なる」というのが実情です!
この記事では現役東大生ライターの「けんけん」が、「国立・私立の数学の位置づけの違い」「数学が必要な理由」「選択時に後悔しないためのポイント」などについて、詳しく解説していきます!
国立大学:数学は“基本装備”。文理問わず避けられない
まず、国立大学の入試制度は「共通テスト+2次試験」の2本立てで構成されており、共通テストでは基本的に全科目型の受験が求められます。
文系であっても、数学I・A、II・Bの受験が必要で、さらに大学や学部によっては2次試験でも数学が課されます。たとえば、東京大学の文系は数学の2次試験が必須であり、京都大学や一橋大学も文系数学が出題されます。
「文系だから数学は捨てる」という考えは、国公立大学を目指す場合には通用しないんです。
しかも、文系数学の出題は、難度が高いだけでなく、論理的思考力や処理スピードが問われるため、日頃の基礎力+演習量がものを言う分野でもあります。
また、理系では当然ながら数学は中心科目であり、配点も非常に高く、差がつきやすい部分です。
東大や京大では、数学が得意かどうかで合否が決まると言われるほど重要です!

私立大学:文系は数学を避けられるが、理系は必須
一方、私立大学の入試では、学部・方式によっては数学を使わずに受験できるルートが多数あります。
特に文系学部(文学部、法学部、国際系など)では、「英語・国語・社会(世界史、日本史、地理など)」の3科目受験が基本です。
このため、数学が苦手な生徒が私立文系を第一志望とするケースが多く見られます。
中には、最初から「数学を完全に捨てる」つもりで、高2・高3の初期から文系3科目に特化した学習を行う受験生もいます。
ただし、注意点もあります・・・!
経済・経営・商学部は数学選択が有利な場合も
文系であっても、経済学部・経営学部・商学部などは数学を使った入試方式を採用しているケースが多いです!
数学を使える受験生はライバルが少なくなるため、数学受験の方が倍率が低い・合格点が低いといった逆転現象も起こり得ます。
また、私立大学でも理系学部(理工学部、医学部、看護学部など)では数学が必須です。
むしろ数学だけでなく、物理や化学・生物といった理科も問われるため、「私立だから理系は楽」という考えは大きな誤解です!
入試だけじゃない!入学後にも数学はついてくる
もう一つ忘れてはならないのが、「大学入学後」の話です!
文系学部に進んでも、今の時代は統計やデータ分析などの講義が必修化されていることが多く、高校数学の知識があるかどうかで大学の授業の理解度に差が出るという現実があります。
特に経済学部では、「ミクロ経済学」や「マクロ経済学」において関数や微分の知識が求められ、商学部・社会学部でも統計的な視点が必須です!
つまり、「数学を使わずに受験はできるけれど、その後で困る」というパターンも多く見られます。
文系でも数学が得意なら強い武器になる
文系であっても、数学ができることは大きなアドバンテージになります!
私立文系の多くが社会選択を前提にしている中で、数学を武器に受験する層は少数派。つまり、数学型の入試はライバルが少なく、偏差値の割に受かりやすいという裏技的な一面があります。
特に以下のような大学・学部では、数学選択者が有利になる傾向があります:
- 早稲田大学 政治経済学部(数学必須)
- 上智大学 経済学部(数学・英語型)
- 明治大学 政治経済学部(数学 or 社会)
- 関関同立の一部学部(選択科目に数学あり)
もちろん、数学が得意な場合の話です。ただし、「文系で数学を選ぶ」というだけで差別化になるという点は、受験戦略として知っておくべきポイントです。
数学が苦手な人は「共通テスト特化」で突破口を作れ!
一方で、「どうしても数学が苦手」「文系だけど国立志望」という受験生も多いはず。
その場合に頼りになるのが、共通テスト対策に特化した“実践的なスコアアップ術”です!
共通テストの数学は、記述ではなくマーク式で出題され、内容も教科書レベル+標準問題が中心です。
応用よりも「読み取り力・処理スピード・形式への慣れ」が求められます。
苦手な人が点を取るための3ステップ:
- 基礎の徹底:教科書の例題レベルが即答できるように
- 典型問題の演習:センター過去問や予想問題で反復練習
- 時間配分の訓練:本番同様の演習で“解ける問題を確実に取る”
この3点を意識するだけで、共通テストで数学60〜70点を安定して取れるようになる受験生は多くいます。
国公立の合格ラインを超えるには、**満点を目指すより「最低限の得点を安定して取る」**という姿勢が重要です。
理系数学は「差がつく最重要科目」になる
理系受験生にとって、数学は“避けられない”だけでなく、“勝負を決める”科目です。
物理や化学と違い、出題のバリエーションが多く、演習の質と量が問われるため、計画的な学習が求められます。
特に東大・京大など最難関国立では、数学が満足に解けないと足切りされるほどの配点。
一方で、地方国公立や私立理系であれば、「基本問題を正確に解けること」が最優先されるため、自分の志望校に合わせた戦略が必要です。
理系数学攻略の基本戦略
- 教科書レベルの公式・定理の理解を深める
- 典型問題で「型」を体で覚える(パターン練習)
- 時間制限つきで過去問演習を積む
この3点に取り組むだけでも、大きく成績が変わることがあります。
とくに「模試では取れるのに本番で取れない」という人は、時間配分と問題選別の練習不足であることが多いため、演習の段階で改善しましょう!



なぜ数学が“できる人”は受験に強いのか?
大学受験において、数学が得意な生徒は「受験に強い」とよく言われます。その理由は、単に試験科目として有利というだけでなく、数学という科目がもつ“論理的思考力”や“問題解決力”が、他教科にも応用できるからです!
たとえば数学の問題を解く過程には、「前提を整理する」「定理や公式を活用する」「パターンに気づく」「正確に計算する」といった一連の思考フローがあります。これらは、英語長文の読解や社会の記述問題においても非常に役立つスキルです。
また、数学の演習を通して身につく「粘り強く考える姿勢」や「ケアレスミスを減らす集中力」は、どの教科においても武器になります。とくに難関大学の入試では、問題そのものの難しさに加えて、「制限時間内に処理できるかどうか」や「設問の意図を正確に読み取れるか」が問われます。そうした場面でも、数学的な思考力がものを言うのです。
加えて、共通テストのようなマーク式試験では、数学ができることで得点の安定性が高くなるというメリットもあります。数学は英語や国語と違って、感覚に頼らず「正解が一つに定まる」教科です。だからこそ、正しい解法を身につければ得点がブレにくく、入試本番でも大きな失点を防ぐことができます。
このように、数学ができるというのは、単なる科目の得意・不得意の話にとどまらず、受験全体を有利に進める“頭の使い方”を手に入れていることにもつながります。数学に苦手意識を持っている人も、「得点源にする」という視点だけでなく、「思考力を鍛えるトレーニング」として捉えることで、前向きに取り組むきっかけになるかもしれません!
まとめ:数学から逃げずに、受験に活かす思考へ
文系・理系、国立・私立を問わず、数学は受験戦略の重要なカギです!
避けられるケースもありますが、「だから勉強しない」ではなく、「勉強すれば確実に差がつく武器になる」と前向きにとらえることが大切です。
数学が苦手でも、必要な範囲をしっかり対策すれば得点は伸びます。
そして数学が得意なら、それを最大限に活かして“他と差がつく”入試戦略に変えることもできます
また私たち東大寺子屋では数学が苦手な方も得意な方も、それぞれの目標に合わせて現役東大生が指導をしていきます!
数学は“才能”ではなく“積み重ね”で伸ばせる教科です。
興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください。合格までの戦略と努力を一緒に作っていきましょう!