「中高一貫校ってよく聞くけど、どんな学校?」「中学受験で入る学校と何が違うの?」
そんな疑問を持つ保護者や生徒の皆さんに向けて、今回は中高一貫校の受験とその特徴について、分かりやすく解説していきます。
この記事では現役東大生ライターの「けんけん」が、「中高一貫 受験」というキーワードを軸に、受験の仕組みや学習の進め方、普通の中学・高校と何が違うのかを比較しながら、将来の進路選択にも役立つ情報をお届けします!
中高一貫校とは?受験のタイミングと種類
「中高一貫校=中学受験で入る学校」というわけではない
中高一貫校とは、中学と高校が一体化した教育を6年間かけて行う学校のことを指します。学力・精神面ともに、思春期を長期的に見通して教育できる点が特徴です!
大きく分けて、以下の3種類があります:
- 私立中高一貫校:私立の独自カリキュラムを持ち、受験は小学6年のときに行う。
- 公立中高一貫校:都道府県や市立の学校で、適性検査を通して入学。人気が高く競争率も激しい。
- 中等教育学校:中高一貫型の国立や県立の新設校で、6年間を一つの学校で学ぶ。
中高一貫校の受験は「中学受験」とほぼ同義
中高一貫校に進学するには、基本的には小6の冬に実施される中学受験を突破する必要があります。これは小学範囲を超えた学習内容を問う試験で、算数の図形や特殊算、国語の長文読解・記述など、小学校では習わないような問題が出題されるのが特徴です!
また、公立中高一貫校では「適性検査」という、知識よりも思考力・表現力・読解力などを評価する試験が実施されます。ペーパーテストだけでなく、面接やグループ活動、作文なども含まれるため、バランスの取れた学力が求められます。

中高一貫教育のメリットと魅力
高校受験がない=6年間を一貫して学べる安心感
中高一貫校最大の特徴は、中3で高校受験がないことです。つまり、他の中学生が高校受験に追われる時期に、先取り学習や応用的な探究活動に取り組めるという強みがあります。
これにより、学力の“中だるみ”を防ぎ、大学受験に向けての準備を早期に始めることが可能になります。中には高2までに高校内容を終え、高3は丸々受験対策に充てる学校もあります!
カリキュラムが自由で、大学受験にも有利
中高一貫校は、高校受験が不要なため、教科書に縛られずに独自カリキュラムを組むことが可能です。たとえば、英語教育に力を入れた学校ではネイティブ講師による授業を導入したり、数学を体系立てて学べる学校もあります。
また、6年間かけてじっくり学ぶことができるため、応用力や思考力が自然と身につきやすいのも大きなメリットです。
中高一貫校のデメリットや注意点
進度が速いため、合わないとついていけなくなる
自由度の高いカリキュラムは魅力ですが、裏を返せば「学校の進度が速すぎて苦手な教科が追いつかなくなる」というデメリットもあります・・・!特に算数や英語などの積み上げ教科では、一度つまずくと復習のタイミングを自分で作らないといけないため、自己管理力が求められます。
一度入ったら途中での転校が難しい
中高一貫校は6年間を通した教育を前提としているため、途中での進路変更(たとえば高校受験をして別の学校に行くなど)が難しいこともあります。「入ってみたら合わなかった」という場合に備えて、入学前にしっかりと学校の雰囲気や教育方針を見極める必要があるでしょう。
中高一貫と高校受験型高校の違い
比較項目 | 中高一貫校 | 高校受験型の高校 |
---|---|---|
入学時期 | 小学6年(中学受験) | 中学3年(高校受験) |
教育期間 | 6年間(中→高一貫) | 3年間(高校のみ) |
カリキュラム | 自由度が高い・先取り | 教科書中心・公立に準拠 |
高校受験 | なし | 必須(公立・私立) |
大学受験対策 | 高2から本格化できる | 高3が勝負 |
転校のしやすさ | 難しい(閉鎖的) | 比較的柔軟 |
中高一貫受験を成功させるために必要な準備
小4からの準備が合格の鍵に
中高一貫校の受験は難易度が高く、小学校の学習内容だけでは通用しないことがほとんどです。そのため、多くのご家庭では小4から中学受験対策塾に通い始めるケースが多いです。
特に私立の中高一貫校では、記述問題や難解な算数など、高度な問題に対応できる訓練が必要です。単に知識を覚えるだけでなく、「なぜそうなるのか」を考える力や、表現する力も養っていくことが求められます。
親のサポートも不可欠
小学生が挑む初めての受験であるため、保護者の関与やサポートは非常に大切です。毎日の学習の管理や、模試の結果をもとにした進路相談、そして子どものメンタル面のケアまで、親子二人三脚で取り組む受験といえるでしょう。



公立中高一貫校と私立中高一貫校の違いと選び方
中高一貫校と一口に言っても、その種類によって教育方針や受験内容、進路実績、学費まで大きく異なります。特に注目すべきは、「公立中高一貫校」と「私立中高一貫校」の違いです!
どちらも「高校受験なしで大学受験を目指す」という点では共通していますが、実際の教育の中身や通学する生徒の層、求められる学力などは大きく異なります。
ここでは両者の違いを具体的に比較しながら、「どちらが自分(またはお子さん)に合っているのか」を考えるための視点を提供します。
公立中高一貫校の特徴
適性検査が中心の入試方式
公立中高一貫校では、「入試」ではなく「適性検査」という名称の試験が行われます。これは一般的な中学受験で出題される知識重視の問題ではなく、資料読解、論理的思考、文章作成、複数情報の整理統合といった、総合的な力を見る内容です。
したがって、特別な受験対策をしなくても通用するように見えますが、実際には専用の対策をしなければ高倍率の合格は難しいのが現状です。特に首都圏や都市部の公立一貫校では、倍率が5倍~10倍を超えることもあります。
学費はほぼ無料。地域密着型の教育
公立中高一貫校は、公立校であるため学費が安く、制服・教材費以外の負担が少ないのが大きな魅力です。また、通学区域が限定されていることが多く、地元の優秀な生徒が集まる傾向があります。
学校行事や部活動なども地域と密着したスタイルで行われ、生活面や人間関係の安定感が特徴です。
大学進学実績は年々上昇中
比較的新しい学校が多い公立一貫校ですが、近年は難関大学への合格者も増えており、注目を集めています。ただし、私立一貫校と比べると「個人の努力に依存する部分」が大きいため、塾や家庭学習との両立がカギになります。
私立中高一貫校の特徴
中学受験スタイルの試験問題
私立中高一貫校の入試は、中学受験の王道とも言える内容で構成されています。算数では難解な図形・速さ・規則性の問題、国語では記述や抽象的な読解、理社も小学生範囲を超えるような内容が問われます。
そのため、小4〜小6までの通塾が事実上の必須とされ、多くの家庭が中学受験専門塾を利用します。
高度な独自カリキュラムと進度の速さ
私立の中高一貫校では、**文部科学省の学習指導要領に縛られず、自由に授業計画を組むことができます。**中3で高校課程に入るのは当たり前、英語は高1で英検準1級、数学は高2で数III終了…など、大学受験を強く意識した先取り教育が一般的です。
また、探究活動や留学プログラム、ICT教育など、付加価値の高い教育活動にも力を入れている学校が多いです。
学費は高めだが手厚いサポートも魅力
私立校は年間で約80万円〜150万円程度の学費がかかるケースが多く、金銭的負担は公立に比べて大きいです。しかしその分、教師の数が多く、補習・進路指導・受験対策が充実しているという強みがあります。
また、同じ志を持った生徒が多く、学習面での刺激や人間関係の質も高まりやすい傾向にあります!
まとめ:中高一貫受験は将来を見据えた選択
中高一貫校への受験は、単なる「中学入試」ではなく、6年間を通してどのように学び、どんな進路を描きたいかを早くから考えるチャンスです。高校受験を経る進路と比べて、メリット・デメリットはありますが、子どもの個性や目標に合わせて、最適な選択をしていくことが何よりも大切です。
また中高一貫校への合格を目指すなら、専門のカリキュラムと指導ノウハウが豊富な東大寺子屋がおすすめです。難関中学向けの算数特訓や記述力アップ講座、志望校別の模試対策など、小学4年生から段階的に合格力を育てるプログラムを用意しています!
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