大学受験を控える高校生やその保護者にとって、「私立大学と国立大学、どちらを選ぶべきか?」という疑問はとても重要です!
「学費が安いから国立が良い?」「でも私立の方が入試方式が多くて受かりやすいのでは?」
そんな悩みに答えるべく、この記事では現役東大生ライターの「けんけん」が私立大学と国立大学の違い、受験制度、学費、学生生活、就職、向いているタイプまで、あらゆる視点から徹底解説します!
私立大学と国立大学の基本的な違い
まずは、制度的・運営的な違いを理解しましょう!
項目 | 国立大学 | 私立大学 |
---|---|---|
設立主体 | 国(文部科学省) | 学校法人(民間) |
学費 | 比較的安い(年間約53万円+入学金) | 高め(年間約90万~150万円) |
入試 | 一般に共通テスト+二次試験 | 多様な入試方式(共通テスト利用・一般・推薦など) |
研究重視度 | 高い | 学部や大学によるがバラつきあり |
定員・規模 | 小規模~中規模 | 大規模な大学も多数 |
学部数 | 理系・文系問わずバランスあり | 文系中心の大学も多い |
全国への分布 | 各都道府県に1校以上ある | 都市部に集中傾向 |
入試方式の違い:国立は「総合勝負」、私立は「科目絞り勝負」
国立大学の入試:共通テスト+個別試験が基本
国立大学を受験するには、まず大学入学共通テスト(旧センター試験)で5〜6教科を受験し、その得点を基に各大学の「個別試験(二次試験)」に進みます。
たとえば文系なら国語・英語・数学・地歴・理科、理系なら数学・理科・英語など、幅広い教科が求められるのが特徴です。
さらに、二次試験では記述式の問題が多く、論理的思考力や表現力も問われます。得点配分が高く、共通テストで成功しても二次で逆転されることもあるため、長期的な総合力が求められます・・・!
私立大学の入試:選択肢の多さが魅力
一方、私立大学では、大学独自の一般入試を中心に、以下のような多様な方式が用意されています。
- 一般選抜(3教科型・2教科型など)
- 共通テスト利用型
- 推薦入試(学校推薦型選抜)
- 総合型選抜(旧AO入試)
私立大学では英語・国語・社会の3科目だけで受けられる学部も多く、科目を絞って対策しやすいのがメリットです!
その分、受験生が集中しやすく競争も激しくなりますが、複数学部の併願や試験日程の分散により、チャンスを広げやすいという側面もあります。
学費と経済面の違い:一番大きいのはここ!
大学の4年間でかかるお金は、家庭の教育方針にも直結する重大ポイントです。
項目 | 国立大学 | 私立大学(文系) | 私立大学(理系) |
---|---|---|---|
入学金 | 約28万円 | 約20万〜30万円 | 約20万〜30万円 |
授業料(年間) | 約53万円 | 約80万円前後 | 約110万円前後 |
4年間合計 | 約250万円 | 約350〜450万円 | 約450〜600万円 |
さらに、地方の国立大に進学する場合、仕送り・家賃などの生活費も必要になります。一方、私立でも自宅通学ができるなら、学費以外の負担を抑えることも可能です。
また、最近では私立大学も奨学金や授業料減免制度を充実させており、「私立=お金がかかる」という一面だけでは判断できなくなっています。

教育内容や学生生活の違い
国立大学は研究重視・自由度高め
国立大学は、大学院進学や研究者育成を重視しており、理系・工学系の研究環境が非常に整っているのが特徴です。カリキュラムにも柔軟性があり、副専攻制度や学部間の移動、学際的な学びがしやすいというメリットがあります。
また、学問に打ち込む学生が多いため、「真面目」「おとなしめ」と言われる校風を持つ大学も多いです。
私立大学は実学重視・都市型で活動的
私立大学は、文系学部を中心にビジネス・法律・国際関係など“実社会で役立つ学び”に強いのが特徴です。就職支援にも力を入れており、企業との提携インターンシップ、キャリア講座など、就活への手厚さは私立ならでは。
また、都心にキャンパスがある大学も多く、サークル活動やアルバイト、留学など“学生生活の幅”が広がりやすい傾向があります。
就職率・ブランド力はどちらが上?
一般に、「国立だから就職が良い」「私立は知名度が高い」というイメージがありますが、これは一概には言えません!
- 国立大は地元企業や公務員試験に強い
- 私立大は都市部企業や大手就職に強いケースも多い
また、早慶・MARCH・関関同立といった難関私立大学は、国立に匹敵する知名度・実績を持つため、大学名そのものが就職のアドバンテージとなることもあります。
重要なのは、“大学で何を学び、何をしたか”が問われる時代になっているという点です。進学先のネームバリューだけでなく、自分自身の行動・経験が将来を左右します。
推薦入試・総合型選抜に強いのはどっち?私立大と国立大の違いを知って戦略的に挑もう
大学入試の選択肢が増えるなかで、推薦入試や総合型選抜(旧AO入試)を視野に入れる受験生が年々増えています。
特に私立大学では、一般選抜よりも推薦・総合型での合格者の割合が高くなっており、「一般よりも早く進路が決まる」「自分らしさを評価される」入試方式として注目を集めています。
一方で、国立大学でも総合型選抜の枠は少しずつ広がっており、以前より身近な選択肢となりつつあります。ここでは、私立・国立それぞれの推薦入試の違いと、それぞれに向けた対策ポイントを解説します!
私立大学:推薦・総合型の選抜枠が広く、対策次第でチャンスも大きい
私立大学では、学校推薦型選抜(指定校・公募)や総合型選抜(旧AO)を活用する受験生が全体の約4〜5割に上ります。特にMARCHや関関同立レベルの大学でも指定校推薦枠が存在し、高校での評定を維持していれば受験競争を避けて合格できるルートもあります。
また、総合型選抜では、学力試験よりも
- 志望理由書・活動報告書
- プレゼンテーション
- 面接・グループディスカッション
- 課題レポート
といった、個性や経験、将来の展望が評価される形式が中心です。よって、学力に不安があっても、「やりたいこと」や「頑張ってきた活動」があれば、一般入試とは異なる強みを活かせる可能性があります。
私立の推薦入試で求められるもの
- 高校の評定平均(指定校は特に重要)
- 課外活動やボランティア経験
- 明確な志望理由と自己分析
- プレゼン・小論文・面接への準備
こうした準備を高2のうちから意識的に行うことが合格のカギとなります。
国立大学:推薦・総合型は狭き門だが、近年は拡大傾向
一方、国立大学でも総合型選抜や推薦入試は実施されていますが、私立大学に比べて募集人数が圧倒的に少なく、倍率も高めです。
その理由は、国立の推薦枠が依然として少数であることに加え、学力と人物の両面を厳しく見る傾向が強いためです。
たとえば、東京大学の推薦入試では、「全国トップレベルの学力+独自の探究活動や受賞歴」「明確な研究テーマと志望理由」が求められます。地方の国立大でも、「高校での成績上位+地域医療への貢献意欲」など、“選ばれる人材”になるためのハードルが高いことが特徴です。
国立の推薦・総合型で求められるもの
- 高い評定平均と全国模試での実績
- 探究・研究活動の記録(科学部・探究プレゼンなど)
- 教育方針に合致した志望動機
- 書類・面接・小論文での論理力と表現力
国立大の推薦では、学力を“見ない”わけではありません。むしろ、「学力+個性」が求められるため、文武両道・探究型人材であることが必須条件なのです。
どちらの入試方式が自分に向いている?
入試タイプ | 向いている人 |
---|---|
私立の総合型選抜 | 自分のやりたいことが明確で、得意分野がある人。学力試験に不安があるが、面接や自己PRが得意な人。高校の活動に積極的に参加してきた人。 |
国立の推薦・総合型 | 学力・探究活動の両方で成果を出している人。将来の進路を具体的に描けている人。地域貢献やリーダー経験がある人。 |
推薦入試で成功するための準備は“高1・高2から”
推薦入試は「一般入試よりも早く決まる」というメリットがありますが、それはあくまで準備を早く始めた人に限った話です。
- 高1から定期テストで評定を取る
- 学校行事や探究活動に積極的に関わる
- ポートフォリオ(活動記録)を蓄積する
- 志望理由を言語化する訓練をしておく
といった意識が、高3になったときに「推薦も使える」という武器になります。
特に総合型選抜では、「自分が何を学びたいのか」「なぜその大学でないといけないのか」といった問いに納得感ある答えを持つことが合否を左右します!



どちらを選ぶべき?向いているタイプとは?
タイプ | 国立大学が向いている人 | 私立大学が向いている人 |
---|---|---|
勉強スタイル | 幅広くバランスよく勉強できる | 得意科目に集中したい |
将来像 | 研究職・公務員・教員志望 | ビジネス・国際系・専門職志望 |
経済面 | 学費を抑えたい | 自宅通学で費用を抑えたい |
試験方式 | 記述・共通テストに強い | 私大独自問題に慣れている |
学びの志向 | アカデミックに深めたい | 実社会に役立つ学びを重視 |
まとめ:私立か国立かは“目的と性格”で選ぼう
私立大学と国立大学、どちらにも明確なメリットと特徴があります。「偏差値」や「学費」だけで選ぶのではなく、自分が何を学びたいのか、どんな将来を描いているのか、どういう学びのスタイルが合っているのかをじっくり考えることが重要です。
最終的に、どの大学に行くかよりも、その大学でどう学び、どう行動するかが未来を決めます!
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