中学生活の終盤に差し掛かると、誰もが直面するのが「どこの高校に進学するか」という大きな選択です。特に多くの家庭や生徒が悩むのが、公立高校に進むか、私立高校を選ぶかという問題です。偏差値や通学のしやすさ、学費など、選ぶ基準は人それぞれ。しかし、実はこの選択がその後の大学進学、さらには将来のキャリア形成にも深く関わってくることをご存じでしょうか?
今回は現役東大生ライターの「けんけん」が、「公立」と「私立」の違いや、それぞれのメリット・デメリット、向いている人の特徴、将来への影響を徹底的に比較しながら、高校選びに役立つ視点を紹介します!
公立高校の特徴と魅力
公立高校の学びの場は「地域」とともに
まずは、多くの中学生が進学先として考える公立高校から見てみましょう!公立高校は各都道府県の教育委員会によって運営されており、基本的には地元の中学校の延長線上のような位置づけです。入試は地域の学力水準に合わせて行われ、学費は国の支援により非常に安価に抑えられています。
公立高校のメリット
- 学費が安い
入学金や授業料はほぼ無料で、必要なのは教科書代や制服代程度。家庭の経済的負担が少ないため、安心して通学できます。 - 多様な人間関係が築ける
地元の生徒が集まるため、学力や生活環境、価値観の幅が広く、多様な人間関係を経験できます。社会性が自然と育まれるのも魅力の一つです。 - 自由度が高め
進路も進学だけでなく就職や専門学校など多様で、生徒の自主性を重んじる傾向があります。
公立高校のデメリット
- 学習環境にバラつきがある
進学校以外では、学力層が幅広いため、授業のレベルに差があることも。大学進学を強く意識するなら、ある程度のレベルの公立校を選ぶ必要があります。 - 設備やプログラムに限界
ICT機器や留学制度、外部講師との連携などは私立に比べてやや遅れをとっている学校も。
私立高校の特徴と魅力
教育への投資がそのまま教育の質に反映される
次に見ていくのは私立高校です。私立は文字通り民間によって設立・運営されているため、独自の教育理念やカリキュラムを持っているのが特徴です。学費は公立に比べて高いですが、その分学習支援や設備、進学実績においてハイレベルな環境が整っていることが多いです!
私立高校のメリット
- 学習環境が整っている
個別指導や長期休暇中の講習、受験対策講座など、学力向上のための体制が充実。大学進学を目指す生徒にとっては、非常に魅力的な環境です。 - 独自の教育方針がある
例えば「探究学習」「国際教育」「リベラルアーツ教育」など、特色あるカリキュラムを展開している学校も多数。自分の興味や将来の方向性に合った学校を選べるのは私立ならではです。 - 人間関係が安定している傾向
私立は一定の入試フィルターがあるため、学力層や価値観の近い生徒が集まりやすく、落ち着いた環境で学びやすいと感じる人も。
私立高校のデメリット
- 学費が高い
年間の学費は平均して70〜100万円、学校によってはそれ以上の場合も。奨学金制度や特待制度を活用しても、公立と比べると負担は大きいです。 - 進路の選択肢が狭まる場合も
中高一貫型の私立などでは「大学進学一択」の雰囲気になりやすく、自分のペースで進路を考えたい人には向かない場合もあります。

志望校の選び方で失敗しないために
学力だけで決めない!「環境」「距離」「雰囲気」も大切
志望校を選ぶ際、多くの家庭がまず気にするのは「偏差値」や「合格可能性」でしょう。もちろん学力に見合った学校を選ぶことは大切ですが、それだけでは判断を誤る可能性もあります。
例えば、通学に片道1時間以上かかる学校では、疲労がたまって勉強や部活動に支障が出るかもしれません。また、どんなに進学実績が良くても、生徒同士や先生との関係性が「合わない」と感じる環境では、3年間が苦痛になる恐れもあります。
実際に足を運び、学校説明会や文化祭、オープンスクールに参加して「この学校に通っている自分」をイメージできるかどうかは非常に大切です。校舎の雰囲気や在校生の様子、先生方の指導方針など、リアルな情報は公式サイトでは得られないことも多いのです。
「自分らしさ」を伸ばせる学校を選ぶ
高校3年間は、人格や進路の基盤を築く時期です。だからこそ、単に偏差値が高い学校や有名校を選ぶよりも、「自分らしさ」を発揮できる学校を選ぶ視点が重要になります。
たとえば、芸術やスポーツ、探究活動に力を入れている私立高校を選べば、進学以外の面でも成長できる可能性があります。一方、地元の公立高校でのびのびとした生活を送りながら、自主性や地域とのつながりを深めるのも大きな財産です。
進路指導が手厚い私立、自由な校風の公立。どちらが良い悪いではなく、自分の性格や将来の目標とフィットする学校を選ぶことが、後悔しない進学への第一歩です。
最後に:家庭で考えるべき3つのポイント
【1】学費と将来の費用負担
私立高校では、年間で約80〜120万円程度の学費がかかります。一方、公立高校は30〜50万円ほどで済むケースが多く、家計への負担は比較的軽くなります。
ただし、私立高校には「就学支援金制度」や各種奨学金制度が充実している場合もあります。これらを活用すれば、思った以上に負担を軽減できることも。進学説明会では、必ず費用とその支援制度について確認しましょう。
【2】大学進学のビジョン
大学進学を前提とする場合、私立高校の進学実績やカリキュラム、指定校推薦の枠の有無は大きなポイントになります。特に、難関大学を目指す生徒には、私立高校の手厚いフォローが有利に働くことも。
逆に、総合型選抜(旧AO)や学校推薦型選抜(旧推薦入試)を狙う場合、公立高校での活動歴や探究活動が強みになることもあります。
【3】子どもの性格と家庭の方針
「自由な環境が合う子」「管理型のほうが伸びる子」など、子どもによって成長しやすいスタイルは異なります。また、家庭によっても「地元の人間関係を大切にしたい」「通学時間をできるだけ短くしたい」などの希望があるでしょう。



最終的には、子ども自身が納得し、目を輝かせて通える学校を選ぶことが何より重要です。親が誘導するのではなく、一緒に考え、対話を重ねる中でベストな進学先を探していきましょう!
高校選びは、人生の方向を左右する重要な分岐点です。「公立だから安心」「私立だから有利」といった固定観念にとらわれず、冷静に情報を整理し、家族でじっくり検討していくことが大切です。
私たち東大寺子屋では、進路相談・学習支援・学校情報の提供など、総合的にサポートしています。もし志望校選びに迷っている方がいれば、ぜひ一度ご相談ください!「どこへ進むか」よりも「どう学ぶか」を大切にする進路選びを、私たちと一緒に進めていきましょう。