大学受験を考える際、「この大学は上?」「あの大学は滑り止め?」といった“大学ランク”に注目する人は多いと思います。
ネット上にはさまざまな大学ランキングや偏差値表が溢れていますが、その中には主観的で信頼性に欠ける情報も少なくありません!
そこでこの記事では現役東大生ライターの「けんけん」が、次のポイントを中心に、「大学ランク」について客観的・実践的に考えていきます!
大学ランク=偏差値だけでは測れない
大学のレベルは、入試難易度(偏差値)に加えて、
- 就職実績
- 研究実績
- 学生の質
- 学費・立地・知名度
など、多くの要素によって決まります。
● ランクは「分類」であって、「差別」ではない
大学ランクという言葉をネガティブに受け取る人もいますが、あくまで**情報を整理するための“目安”**です。
「自分の今の実力と志望校の距離感を測る」
「自分の行きたい道に最適な大学を見極める」
そのためのツールだと考えるのが最も健全です。
日本の大学ランク分類の実態(2025年版)
ここでは、多くの受験関係者が共通認識として使っている代表的な大学ランクを、ざっくり紹介します。
※主に私立・国立を分けた形で、文系基準。
■ 最上位層(超難関)
- 東京大学・京都大学(国立最上位)
- 一橋大学・東京工業大学・大阪大学(専門性の高い難関国立)
- 早稲田大学・慶應義塾大学(私立トップ)
■ 上位難関
- 旧帝大グループ(北海道・東北・名古屋・九州)
- 神戸大学・筑波大学・お茶の水女子大学
- 私立の上位グループ(MARCH・関関同立)
- 明治・青山学院・立教・中央・法政
- 関西大学・関西学院大学・同志社大学・立命館大学
■ 中堅・準難関
- 産近甲龍(京都産業・近畿・甲南・龍谷)
- 日東駒専(日本・東洋・駒澤・専修)
- 南山大学・西南学院大学など地方の有力私大
■ 地方国公立
- 地域に根ざした国公立大学(信州大・広島大・香川大など)
- 偏差値としてはMARCHと同等〜やや下だが、就職実績・教育の安定性は高評価
■ その他(特色・専門系)
- 芸術大学(多摩美・武蔵美・京都芸術など)
- 女子大学(津田塾・日本女子・東京女子など)
- 理系・医療系専門大学(東京理科大・芝浦工大・千葉工大など)

「ランク」よりも「実力帯」で見るべき理由
大学ランクを考えるとき、偏差値1~2の差で優劣をつけたがる人も多いですが、実は“帯”で考えたほうが正確です。
● 偏差値60〜62の大学は“互角”
たとえば「明治大学:60」「立教大学:62」と書かれていても、
実際の受験では同じ生徒が両方受けて片方だけ落ちるということも普通にあります。
● 合格最低点は年によって揺れる
模試でA判定でも落ちることもあれば、C判定で合格することもある。
つまり、**1ランク上・下ではなく“同レベル帯”**として判断するほうが合理的です。
● 学部で見ればランクが入れ替わることも
- 早稲田の政治経済学部 ≫ 東大の一部学部
- 明治の法学部 ≒ 筑波の社会系
- 地方国公立大の教育学部 ≒ MARCH教育学部
このように、学部ごとに評価が逆転することも珍しくありません。
「ブランド」よりも「目的別」で大学を選ぶ
多くの受験生が、大学のネームバリューやランクに惹かれて志望校を決めがちです。
しかし、大学で何を学ぶか、どんな経験を積むかこそが進学先選びの本質です!
■ 自分の「学びたいこと」ができる大学か?
偏差値が高くても、興味のない分野に進めばモチベーションが続きません。
一方で、少し偏差値が下がっても興味関心に合った学部・教授・カリキュラムがある大学なら、学びが深まりやすくなります。
たとえば:
- 文学に興味があるなら、私立の文系学部よりも国公立の人文系の方が適している場合も。
- 経済学を志すなら、統計やデータ分析に力を入れている大学を探すべき。
- 理工系なら、設備や研究室のレベルが就職や大学院進学に直結することも。
■ 将来につながるキャリア支援・実績はどうか?
大学の評価は、在学中のサポートや卒業後の進路実績によっても変わります。
- インターンや留学制度が整っている
- 就職支援が手厚い(キャリアセンターの充実)
- 大学院進学率、国家試験合格率、難関企業内定率など
など、「ランク」では測れない価値が存在します。
大学ランクにこだわって失敗するケース
ここからは、大学の“ランクだけ”で進路を決めてしまった失敗例をいくつか紹介します。
ケース①:「上を目指しすぎて全落ち」
「早慶しか受けたくない」「MARCHより下は受けない」と考えていたが、結果的に全滅。浪人するか滑り止めに進学するしかなくなる。
→【教訓】志望校はチャレンジ校・実力相応校・安全校でバランスをとること。
ケース②:「受かったけど、興味がなかった」
偏差値で選んだが、授業がつまらなくてモチベーションが続かない。中退や転部を考えることに。
→【教訓】学部選びは、「自分が興味を持てること」「将来につながること」が軸になる。
ケース③:「知名度重視で就職に苦労」
知名度のある文系学部に進学したが、実際の就職活動ではスキル不足で苦戦。キャリア支援も乏しく、結果的に希望の進路を実現できなかった。
→【教訓】就職やスキルアップに直結する教育環境も重視すべき。



「今の学力」と「目標」との距離感を知ろう
大学ランクを上手に活用するには、“現状の自分の学力”と“目指す大学のレベル”を正確に把握することが必要です。
模試の偏差値よりも「合格可能性ゾーン」
- 偏差値50:まだ基礎が不十分 → 共通テスト対応・基礎知識の積み上げを最優先
- 偏差値55:MARCHや関関同立の実力層に入りかけ → 伸びしろは十分
- 偏差値60以上:難関私大・旧帝大・早慶も現実的な射程圏
受験勉強で最も大切なのは、「半年後にどこまで伸びるか」。
今の数字にこだわるより、どれだけの勉強を積めるかの方がよほど大事です。
「後悔しない大学選び」のためにやるべきこと
最後に、これから志望校を選ぶすべての受験生に伝えたいのは――
「大学はゴールではなくスタート」ということです!
✔️ 自分なりの「大学選びの軸」を持とう
- 偏差値ではなく、「何を学びたいか」「どうなりたいか」から逆算
- 就職先・資格・研究分野・立地など、自分の希望とすり合わせる
- 保護者や先生の意見も取り入れつつ、最終的には**“自分の納得”で決める**
✔️ 合格後の生活をリアルに想像する
大学名だけでなく、その大学での4年間の生活・学び・出会い・進路までを考える。
「この大学に行きたい」と心から思えるかどうかは、合格後の努力の質にもつながります。
✔️ 「悩んだら相談する」ことが最強の戦略
1人で抱えていると、偏差値表やネットの噂に振り回されがちです。
経験豊富な先生やプロの受験指導者に相談することで、迷いが晴れることも多いものです。
まとめ:大学ランクに“使われる”な、“使いこなせ”
大学ランクは、受験戦略を立てるための「地図」のようなもの。
けれどもそれはあくまで手段であり、目的ではありません。
大切なのは、「自分にとって本当に価値のある大学」を選ぶこと。
偏差値もブランドも大事ですが、最終的に充実した進学・進路を実現できるかどうかが最も重要です。
ここまで読んでくださったあなたへ。
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