はじめに
古文が苦手な受験生に共通している悩みの一つが「文法がわからない」という点です。単語を暗記しても、文法が理解できていなければ文章の構造が見えず、正しい解釈にたどりつけません。逆に、文法をマスターすれば、知らない単語が多少出てきても文章全体の意味を推測できるようになります。
そこで本記事では現役東大生ライターの「けんけん」が、古文文法を学ぶ重要性と、効率的な学習法について詳しく解説していきます!
古文文法を学ぶ意味とは
単語力だけでは不十分
古文を読む際、単語の意味を知っているだけでは文全体が理解できません。たとえば「なむ」「や」「けり」といった助詞や助動詞は、文章のニュアンスや事実性を大きく左右します。これらを正確に理解するには、文法の体系的な知識が不可欠です!
センター試験から共通テストへの変化
かつてのセンター試験は「文法問題」が直接問われる傾向が強くありました。しかし共通テストでは「文法そのもの」を問う問題は減少し、文章全体を読む力が試されています。ここで「文法を軽視してよい」という誤解が生まれやすいですが、むしろ逆です。文法を正しく理解していないと、読解問題で正答を導けないのです・・・!

古文文法の大黒柱「助動詞」攻略法
助動詞は古文読解の要
古文文法の中でも特に重要なのが助動詞です。「き」「けり」「つ」「ぬ」「たり」「り」など、古文読解の根幹をなす要素はほぼ助動詞に集約されています。助動詞を制することは、古文を制することと同義だといっても過言ではありません。
活用と意味をセットで覚える
助動詞は活用の形によって意味が変わるものが多く、ただ「意味」だけを暗記するのは危険です。たとえば「けり」は過去と詠嘆の意味を持ちますが、文章中での活用形を見極めることが正しい解釈の第一歩になります。おすすめの学習法は以下の通りです。
- 活用表を何度も書いて覚える
- 文法参考書の例文を音読する
- 問題演習で「意味+活用」を確認する
これにより、単なる暗記から実戦レベルの運用へとつなげることができます!
助詞の働きを見抜く力を養う
文と文をつなぐ助詞の役割
古文の助詞は、現代語よりも強く文章の関係性を示します。たとえば「をば」「こそ」「だに」といった助詞は、文章の重点やニュアンスを大きく左右します。
読解に直結する助詞の例
- こそ〜已然形:逆接の確定条件を示す(例:「雨こそ降れ、出で立たむ」=雨が降るけれど出発しよう)
- をば:強調や対象の明示
- だに:限定や類推の意味を持ち、文章の幅を広げる
助詞の意味を正しく押さえておけば、選択肢問題での「ひっかけ」にも強くなります!
効率的な古文文法学習法
1冊の参考書を何度も回す
古文文法の学習でありがちな失敗は、複数の参考書に手を出して中途半端に終わってしまうことです。まずは定番の文法書(『マドンナ古文』『望月光の古典文法』など)を1冊決め、それを最低3周することを目標にしましょう。
アウトプットを重視
インプットした知識は、問題演習で使える形にしなければ意味がありません。文法問題集(『ステップアップノート古典文法基礎ドリル』など)を繰り返し解き、知識を実戦に落とし込みましょう。
読解と文法をリンクさせる
最終的には、過去問や模試の文章を「文法の観点から読み解く」訓練が必要です。「この助動詞はなぜこの意味なのか」「この助詞があるから文の解釈が変わる」といった分析を積み重ねれば、読解力が格段に向上します!
文法を実戦で使う力を磨く ― 読解への応用法
文法知識を“知っている”から“使える”へ
多くの受験生が陥るのは、「文法を参考書で学んだけれど、実際の文章になると活かせない」という壁です。これは「知識としての文法」と「読解に役立つ文法」が分断されているからです。例えば、助動詞「べし」の意味を知っていても、文章の流れや主語の状況を考えなければ正しい解釈はできません。単なる暗記から一歩進み、文脈の中で文法を生かす練習が不可欠です。
音読を通じて体で覚える
古文文法は、机上で暗記するだけでは実戦に結びつきません。文章を音読しながら、助詞や助動詞が出てきたときに「これはどういう意味で使われているか」を即座に考える習慣をつけましょう。声に出して読むと、助詞・助動詞のリズムや切れ目が体に染みつき、問題を解く際のスピードと正確性が上がります!
主語補完トレーニング
古文では主語が省略されることが多く、これが受験生を悩ませる最大の要因です。文法を使えば、主語が誰かを推測できる場合が多いのです。例えば、尊敬語や謙譲語が出てきたときに「誰が誰に対して動作を行っているのか」を丁寧に追う練習をしましょう。これにより文章の理解が飛躍的に深まります。
実戦形式での学習法
- 過去問や模試の文章を使う:文法的に気になる箇所をチェックし、答え合わせ後に解説で確認する。
- 本文に文法メモを書き込む:助動詞や助詞を見つけたら、その場で意味や用法を簡単に記す。
- 解釈を声に出す:「ここに“こそ”があるから逆接だ」「“けり”は過去を表す」など、逐一口頭で説明する習慣を持つ。
こうした実戦トレーニングを積むことで、文法が“道具”として使えるようになり、読解問題でも自信を持って選択肢を選べるようになります。



合格者が実践した古文文法学習スケジュール
ステップ1:基礎固め(高1〜高2前半)
古文文法は一朝一夕で身につくものではありません。合格者の多くは早い段階で基礎を固めています。高1〜高2のうちに「助動詞」「助詞」「敬語」の基本を押さえることが理想です!この段階では、参考書1冊を徹底的に繰り返すことに専念しましょう。まだ模試や実戦演習は必要ありません。
ステップ2:演習の導入(高2後半〜高3春)
文法知識を固めたら、短文の文法問題集や古文読解問題集に挑戦しましょう。このとき大切なのは「解答の正誤」だけに一喜一憂せず、なぜその文法が使われているのかを徹底的に分析することです。特に「係り結び」「尊敬語と謙譲語の使い分け」など、受験生が混乱しやすい分野を重点的に確認しておきましょう!
ステップ3:実戦演習(高3夏以降)
受験学年になったら、過去問や模試を通して実戦感覚を養う必要があります。この段階では「文章を速く正確に読む」ことが重要です。基礎が固まっていると、知らない単語に出会っても文法知識を駆使して推測できるようになります。実際、古文で高得点を取る受験生は、文法で文章の骨格をつかみ、その上で単語や背景知識を肉付けしているのです。
ステップ4:直前期の総復習(共通テスト直前〜二次試験前)
直前期には、演習問題を繰り返すよりも自分の弱点を文法書に立ち返って確認することが大切です。忘れがちな助動詞や敬語の用法を短時間で復習できるよう、まとめノートや一問一答形式の教材を用意しておきましょう。直前期の“最終確認”ができるかどうかで、本番の安定感が大きく変わります。
まとめ
古文文法は、単なる暗記科目ではなく、読解力を支える基盤です。助動詞・助詞を中心に体系的に学び、参考書と問題集を繰り返すことで確実に得点源に変わります。「文法なんて必要ない」と軽視する受験生もいますが、実際に合格する人の多くは、文法を徹底的に固めています。文法を味方につければ、古文は“苦手科目”から“得点源”へと大きく変わるでしょう!
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