共通テストのリスニングは、配点がリーディングと同じく100点満点になり、英語の総合得点に占める割合が大きくなっています。センター試験時代よりスピードも音声の種類も増え、短期間の対策では点数が安定しにくいのが特徴です・・・!
そこでこの記事では現役東大生ライターの「けんけん」が、リスニングの傾向から効果的な勉強法、直前期の仕上げまでを詳しく解説します!
共通テスト・リスニングの出題傾向と特徴
共通テストのリスニングは、大きく以下の特徴があります。
- 1回しか流れない問題が多い(特に後半)
- 会話文・説明文・インフォメーションなど形式が多様
- イギリス英語・オーストラリア英語など、発音のバリエーションが増加
- 図や表を使って答える問題がある
- 日常的なやり取りから意見を述べる場面まで、内容の幅が広い
特に後半の大問5・6は、音声が一度しか流れず、かつ長めの会話や説明になるため、集中力と情報保持力が問われます!
効率的なリスニング対策のステップ
ステップ1:音声に慣れる
最初は「聞き取れなくてもOK」という気持ちで、毎日10〜15分、英語音声を聞く時間を確保します。教材は共通テスト過去問や模試の音声に加え、NHKラジオ英会話やBBC Learning Englishなどもおすすめです!
ステップ2:スクリプト確認と精聴
聞き取れなかった箇所はスクリプトを見て確認し、発音や単語のつながりを分析します。特に以下の3つを意識しましょう。
- リンキング(単語同士の音のつながり)
- 弱形(機能語の弱い発音)
- イントネーション(文の抑揚)
ステップ3:シャドーイング
スクリプトを見ずに音声の後を追うように発話する「シャドーイング」は、耳と口を同時に鍛えます。1日5分でも継続すると、聞き取れる音の幅が広がるのを実感できます。
ステップ4:設問先読みの習慣化
本番形式の演習では、音声が流れる前に設問と選択肢を先読みし、何を聞き取ればいいのかを明確にします。こうすることで、情報の取捨選択がスムーズになり、不要な部分に意識を奪われにくくなります!

実戦練習と本番でのポイント
- 過去問演習
最低でも3年分は、本番同様の環境(時間・音声機器・一発勝負)で解きます。 - 集中力の維持
大問1〜6まで一気に解く集中力が必要です。普段の練習でも、通しで解く日を作りましょう。 - メモの取り方を統一する
メモは単語や数字だけに絞り、書きすぎないこと。書きながら聞くことはできません。 - 聞き逃しても気持ちを切り替える
一部を聞き逃しても、残りの情報で答えを導くことが可能です。焦らず次に集中しましょう。
リスニング力を伸ばすための長期的戦略
リスニングは短期詰め込みでは伸びにくく、**「耳の慣れ」**が必要な分野です。そのため、最低でも3〜6か月単位での計画が効果的です。ここでは長期的にスコアを伸ばすための戦略を解説します。
毎日の「英語のシャワー」
机に向かった勉強だけでなく、日常生活のスキマ時間に英語を流す習慣を持ちましょう。通学・通塾の電車やバス、家事中などに英語音声をかけ流します。聞き取れなくてもOKで、まずは英語の音・リズムを脳に染み込ませることが目的です。
精聴と多聴のバランス
- 精聴(1つの音声を繰り返し聞き、細部まで理解)
→ 発音や文構造の分析に向いており、弱点の特定に有効 - 多聴(多くの音声を広く聞く)
→ 語彙や表現の定着、リスニング耐性の向上に有効
両者を組み合わせることで、単調な学習にならず、理解とスピードの両立が可能になります。
「耳で覚える」単語学習
リスニングの弱点は単語力不足であることが多いです。紙の単語帳だけでなく、音声付きアプリやCDを使い、目と耳の両方から覚える習慣をつけましょう。特に機能語(前置詞・代名詞・助動詞など)の弱形は、耳から覚えたほうが本番で聞き取れやすくなります。
長期戦略のスケジュール例
- 4〜6か月前:多聴メインで耳慣らし、精聴で基礎固め
- 2〜3か月前:過去問や模試で実戦演習、先読み練習
- 直前1か月:本番同様の環境で通し練習+弱点補強
このように段階を踏んで取り組むことで、リスニング力は着実に向上します。
本番直前期に効果を発揮するリスニング強化法
試験直前の1〜2か月は、新しい教材に手を出すより、これまで使ってきた教材を繰り返し使うほうが効果的です。この時期に必要なのは「耳を慣らし切ること」と「解き方を完全に体に染み込ませること」です。
過去問音声の繰り返し練習
共通テスト本試験・予想問題集・模試の音声を使い、最低3回は解き直します。1回目は普通に解き、2回目はスクリプトを見ながら精聴、3回目はスクリプトなしで再挑戦します。この繰り返しで、聞き逃しやすい箇所が減ります。
「一度だけ聞く」練習
本番では後半問題は1回しか流れません。そのため、普段から**「一発勝負で解く練習」**を取り入れる必要があります。練習時も、聞き逃しても止めないで次に進むクセをつけましょう。
コンディション調整
リスニングは集中力が命です。試験時間に合わせて演習を行い、脳と耳をその時間帯に最も冴えた状態にするのが理想です。また、耳が冷えていると集中力が落ちやすいので、冬場は試験会場に行く際に耳当てやマフラーで温めておくのも意外に効果的です。
試験直前1週間の過ごし方
- 毎日30分〜1時間は音声を聞く
- 先読み+解答の流れを徹底反復
- 生活リズムを本番時間に合わせる
- 新しい教材は使わない(不安を増やすだけ)
最後の1週間は「やってきたことを最大限発揮するための調整期間」と割り切ることで、余計な焦りを減らせます。
英語特有の音変化を攻略する
共通テストのリスニングで大きな壁になるのが、英語特有の音のつながり・省略・変化です。単語一つひとつは知っていても、実際の音声ではまるで別物に聞こえることがあります。これを知らないまま本番を迎えると、「知っているのに聞き取れない」現象が頻発します。
リンキング(音のつなぎ)
例:get up
→「ゲラップ」のように聞こえる
単語と単語の境目が消え、1つの塊として発音されます。この現象を意識すると、文章全体の流れをつかみやすくなります。
リダクション(弱化・省略)
例:want to
→「ワナ」や「ワントゥ」
助動詞や前置詞など、強調されない単語が弱く短くなります。特に「a」「the」「of」などの機能語は音が極端に短くなるので要注意です。
フラッピング(tの弾音化)
例:water
→「ワラー」
アメリカ英語でよく見られます。tが「ラ」に近い音になるため、tを意識しすぎると聞き取れなくなります。
対策方法
- ネイティブ音声をスクリプトと照らし合わせて聞く
- 知らない単語ではなく「知っているはずの単語が聞こえない箇所」を分析
- シャドーイングで発音を真似する(耳と口を連動させる)
音変化を知識として覚えるだけでなく、自分で発音できるようにすることで、脳が「音→意味変換」を高速化します。



問題形式ごとの必勝アプローチ
共通テストリスニングは、出題形式が大きく3パターンに分かれます。形式ごとの特徴と対策を押さえることで、同じ英語力でも得点効率を上げることが可能です。
短文理解(前半)
比較的シンプルなやり取りや描写が多く、英語の処理スピードよりも「集中力と丁寧さ」が求められます。
ポイント
- 選択肢を先読みして、何に注目すべきか明確化
- 数字や色、曜日などの具体情報に敏感になる
- 聞き取った情報を即座にイメージ化する
会話文(中盤)
2人以上の人物のやり取りで、話題が変わることがあります。
ポイント
- 誰が話しているのかを意識する
- 話の目的(依頼・提案・謝罪など)を早く把握
- 感情や態度を示す表現に注目(e.g., “That’s a good idea.”)
長文リスニング(後半)
1回読みの長文や講義形式など、情報量の多さと集中力の持続が課題になります。
ポイント
- 構成(導入→展開→結論)を意識してメモ
- メモは日本語でも英語でもOK、ただし省略形で
- 細部より全体像をつかむ意識を持つ
実戦練習のすすめ
形式ごとに分けた演習を週単位で行い、最後に通しで解く流れを作ると、効率的に得点力がアップします。過去問・予想問題集・模試を活用し、解く→分析→改善のサイクルを短期間で回すことが重要です。
まとめ
共通テストのリスニングは、リーディングと同じ配点でありながら、多くの受験生が軽視しがちな分野です。しかし、正しいトレーニングを数ヶ月継続すれば、短期間でも大幅な伸びが期待できます。
音声に毎日触れる環境を作り、設問先読みやシャドーイングなどのテクニックを習慣化することが、高得点への最短ルートです!
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