はじめに:英語は全大学で必須の“勝負科目”
大学受験において、英語はほぼすべての大学・学部で課される「最重要科目」のひとつです。文系・理系を問わず、また国立・私立を問わず、英語の得点力は合否に直結するといっても過言ではありません!
ですが、同じ「英語」といっても、国立大学と私立大学では出題の方針や重視する力がまったく異なるのが現実です。
国立大は記述式中心の「総合型英語」、私立大はマーク式中心の「情報処理型英語」と呼ばれることもあるほど、出題形式や戦略が違います。
この違いを知らずに勉強していると、模試では点が取れても本番で苦戦する、という事態にもなりかねません・・・!
ここでは現役東大生ライターの「けんけん」が、国立・私立それぞれの英語の出題傾向を徹底的に比較し、受験生が自分の志望校に合わせた“戦略的な英語勉強法”を組み立てられるように解説していきます!
国立大学の英語:読解・記述・英作文…総合力で勝負!
国立大学の入試では、まず共通テストの英語を受験する必要があります。
共通テストでは「リーディング(読む)」「リスニング(聞く)」の2技能が重視され、それぞれ100点ずつ、計200点満点の試験です。
共通テスト英語の特徴
- 長文中心で語彙力よりも読解力重視
- データやグラフの読み取り問題も増加
- リスニングの比重が増え、ナレーションの速さも実践的
- 単語や文法の知識より「文脈理解力」が問われる
つまり、意味を取り違えずに英文全体を正確に読み、設問の意図に合った解答を導ける力が求められます。
しかし国立大英語の本番はむしろ、2次試験(個別試験)です!ここでは、記述・英作文・翻訳といった「総合的な言語力」が試されます。
国立2次試験でよく見られる形式
- 和訳問題(長文中の一部を日本語で訳す)
- 自由英作文(環境・社会・教育など時事的テーマ)
- 内容要約(要点を英語や日本語でまとめる)
- 下線部説明(読解力+論理的説明)
- 長文読解+記述式設問
特に難関国立大学(東大・京大・一橋など)では、解答の論理性、正確性、英語表現の自然さまで細かく評価されます。
単なる知識ではなく、思考力・構成力・語彙力・表現力のすべてが求められるのが国立の英語試験です。
英語が得意な受験生にとっては“見せ場”にもなりますが、苦手な人には厳しい試練にもなり得ます・・・!

私立大学の英語:速読×情報処理のゲーム感覚
一方、私立大学の英語試験は、スピードと正確性がものを言う“マーク式”中心の構成です!
特に早稲田・慶應・上智・明治などの上位校では、
「60分で3長文+文法+語彙」というようなタフな出題が普通。
この時間配分に慣れていないと、最後まで解き切れずに失点することも珍しくありません・・・!
私立大英語の主な特徴
- 配点が高い(英語1教科で60~70%を占めることも)
- 長文3~4題が定番(情報量が膨大)
- 文法・語彙の単独問題も健在(空所補充、語句整序など)
- 記述・英作文は基本的にない
- リスニングも出題されない大学が多い
このように、私立大学の英語では「情報処理力」が重視されます。
どれだけ早く英文を読み、設問の答えに直結する情報を正確に抜き出せるかがカギです!
難関私大英語は“読解スピード”と“構文処理力”が生命線
難関私立大の英語は、単語も文章構造も難しく、読み進めるのに時間がかかる構文が多くなります!
そのため、読解力だけでなく「構文を正確に把握する力」や「英文の癖を読む力」が必要です。
また、本文と設問を行き来して、正解を推定する「消去法の精度」も受験テクニックとして重要です。
ここで大きな差が出るのが「問題演習量」です。どれだけ過去問・類題に慣れたかで処理速度に圧倒的な差が生まれます!
勉強法の方向性が真逆!?国立と私立の英語対策の違い
前編で述べたように、国立大学と私立大学では英語の出題形式・求められる力が大きく異なります。
したがって、英語の勉強法も志望校に合わせて最適化することが極めて重要です。
国立大学志望の場合
国立大英語は「読めて」「書けて」「聞けて」「訳せる」力が必要。
そのため、以下のような学習バランスを意識しましょう。
- 英文読解:論理構造をつかむ読解(特に段落の主張と根拠)
- 和訳・英訳:構文の理解+自然な表現への変換
- 英作文:定型フレーズの習得+理由説明の型練習
- リスニング:共通テストに向けた聞き取り+音読反復
国立志望者におすすめなのは、「音読を中心に据えたインプット→記述・作文でアウトプットする」という循環です。
表面的な読解にとどまらず、構造理解→表現力→論理力へとつなげる学習を意識しましょう。
私立大学志望の場合
私立大では「短期間で大量の情報を処理する力」が試されます!
そのため、次のような対策が効果的です。
- 長文読解の量稽古:過去問や長文問題集で“速読+要点把握”を鍛える
- 語彙力の強化:単語帳+熟語帳の徹底反復(1日30~50語の定着)
- 文法演習の反復:形式別問題(空所補充・整序・誤文訂正)で精度UP
- 時間制限下での演習:常にストップウォッチで本番想定の練習を
特に上位私大では「正確に速く読む力」と「語彙・文法の引き出しの多さ」が勝負になります。知識系の問題はパターンで解けるように脳に定着させることが合格への鍵です。



英語が苦手な人がまず取り組むべき“最低限の土台”
「英語がどうしても苦手」「何から手をつけていいかわからない」という受験生も多いかもしれません。
そんな人が最初にやるべきは、「単語・文法・音読」の3点セットです。
英語の苦手克服に必要な“基本の3本柱”
- 単語帳を1冊完璧に仕上げる
→毎日同じ範囲を繰り返し、1か月で一周が目安。3周すれば確実に定着します。 - 中学レベルの文法から見直す
→be動詞・一般動詞・時制・助動詞など、「分かったつもり」を排除しましょう。 - 簡単な英語を毎日音読する
→意味を理解しながら声に出すことで、文構造や語順の感覚が自然に身につきます。
英語ができる人は、例外なく「基本を疎かにしていない人」です!
焦って難しい長文に飛びつくのではなく、自分の弱点を丁寧に確認し、着実に基礎を積み上げていくことが大切です
共通テストで差がつく?リスニングの対策を後回しにしてはいけない理由
英語の勉強というと、多くの受験生は「単語帳」「文法問題」「長文読解」に偏りがちですが、共通テストで確実に差がつくのがリスニングです。2021年度から導入された大学入学共通テストでは、英語の配点が「リーディング100点:リスニング100点」と完全に二分化され、従来のセンター試験よりもリスニングの重要性が飛躍的に高まりました!
特に国立大学志望者にとって、共通テストのリスニングは避けて通れない試験。私立大学ではリスニングを課さない学部も多いため、国立受験生の中でも「苦手なまま手をつけずに本番」という受験生が少なくありません。その一方で、共通テスト対策を早くから始め、リスニングをコツコツ練習してきた生徒は、20~30点以上の差をつけることが可能なのです。
リスニング対策は、「英語を聞く量」が何より大切です。ただし、漫然と聞いていても効果は出ません。重要なのは、
- 意味を意識しながら音読を繰り返す
- 聞こえなかった箇所を何度も再生する
- スクリプト(英文)を確認しながら復習する
といった「能動的なリスニング練習」です。YouTubeやNHKラジオ講座、英検のリスニング素材なども活用できますが、共通テストの形式に合わせた教材で、設問を解く練習を積むことが最も効果的です。
また、リスニングができるようになると、英語の語順・表現にも慣れるため、英作文や英文読解のスピード・精度も自然と上がっていくという副次的効果も期待できます。
「読む英語」と「聞く英語」はつながっています。
リスニングは後回しにしやすい分、丁寧に取り組めば他の受験生との差が広がる分野です。ぜひ今のうちから意識的に取り入れてみましょう。
まとめ:英語で受験の流れをつくろう!
英語はすべての受験生にとって最重要科目であり、「早くから始めた人」「正しいやり方で継続した人」が最後に勝ちます。
国立志望なら記述+論理力を意識した総合型対策を、私立志望なら速読と情報処理に強くなるパターン演習を。
そして苦手な人も、まずは「単語・文法・音読」の基礎から。そこに正しい努力を積み重ねれば、英語は必ず伸びます!
また受験英語は、独学で悩むよりも「正しく導いてくれる人」と一緒にやることで、ぐっと効率が上がります!
あなたの志望校に合わせた最短ルートを、私たち東大寺子屋が全力でサポートします。ご興味がある方はぜひお気軽にお問い合わせください!